アオスタに行く途中で高速からいつも見えていて気になっていたBARDの要塞。今は美術館になってるそうで面白そうだから行ってみた。トリノの家から約1時間ですぐに着きます。
ここもABBONAMENTO MUSEI(年間パス)で無料。山の麓の入り口で入場券をもらって、フニクラでどんどん上に上がっていく。トリノよりも随分寒くて周りの観光客は雪山の格好をしてる。気軽に街服できてしまった・・・。

いちばん上にある砦にあるカフェで朝食休憩。

高いところにあるのに何故か窓が少なく眺めはあまりよくない。隣にレストランもあってそこはもうちょっと良い眺めなのかもしれない(この時は営業していなかった)。
フニクラで登ってきた反対側をみるとつづら折りの道が麓まで続いていた。ここを歩いて登る人もいるんだろうか?

では早速美術館へ。この要塞はいくつかの建物で構成されていてそれぞれが美術館となっている。メインの美術館には何故かクリムトの絵が展示されてました。
クリムト・・。もちろん名前は知ってたけど作品を見るのは初めてかもしれない。実に・・実に良かった。妖艶な感じの女性。しばらく見惚れてしまうほど。
パルマでみたダヴィンチの「ほつれ髪の女」に通じるものがある。顔の部分以外がふわっと描かれてるのだけど、「顔」が惹きつける力が凄い。吸い込まれそう。

Ritratto di signora(貴婦人の肖像)という作品で普段はピアチェンツァの美術館Galleria d’Arte Moderna Ricci Oddi di Piacenzaに所蔵されているらしい。かつて盗難に遭ったこともあるんだそうな。
何故今回こんな山奥の美術館に展示されることになったのかわからないけど、ここでの展示は3月までだそうなので、いつかピアチェンツァに行くことがあったらまた見たい。
それほど素晴らしかった。クリムトのイメージって暗くて薄気味が悪いという感じだったのだけど、完全に間違ってた。素晴らしい(当たり前か)。
美術館を出てそれぞれの建物の展示を見ながら山を少しずつ降りる。やたらアベンジャーズのキャラクターが飾ってあると思ったら、ここで撮影されたんだそうです。

13時だというのに麓の街はすっかり山の影に覆われてしまった。冬はほとんど日が当たることがないのでしょう。住人には申し訳ないけど谷の町はどことなく陰気な感じがする。
要塞の脇の通りも人が少ないこともあって実に暗い。ランチを食べようとしたけど、ちょっとしたサラミとチーズしかない店とバールみたいな店しかなかったのでトリノに戻ることにした。


ちなみにこの要塞はサヴォイア家が作ったもので、ナポレオンの侵攻をここで食い止めたこともあったそうです。牢屋とかもありました。その辺の写真を全く撮らなかったので申し訳ないですが要塞好きの人はたまらんと思います。
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