エルサレムの年越し

年越しディナーを食べ終わって旧市街に戻ります。
空には大きく怪しげに光る月が見えます。三つの宗教の聖地エルサレムにふさわしい威厳のある月です。

旧市街の城壁と月

旧市街に入るとまだ21時を少し回ったばかりなのにほとんどのお店が閉まっていて寂しい雰囲気。昼間は観光客でごった返していた商店が並ぶ路地もひっそりと静まりかえってます。
向こうから黒ずくめのユダヤ教の正統派が足早に歩いて来ます。何故かユダヤ教の人はみんな早足で歩きます。ダラダラ歩くなという教えでもあるのか、パレスチナの人々との無用の争いに巻き込まれるのを防ぐ為かは分かりません。
旧市街を歩くユダヤの人達はとっても絵になります。

旧市街を歩くユダヤ人

夜の旧市街は治安が良くないと聞いていたのでまっすぐホスピスに戻るつもりでしたが、ちょっと嘆きの壁に寄ってみたくなりました。嘆きの壁は24時間営業です。いついっても壁で祈っている人がたくさんいます。イスラム教のお祈りは1日5回と決まっているけど、ユダヤ教は時間帯の決まりはないみたいですね。
金属探知機を通って広場に入ろうとすると、探知機がブーっと音をたてました。ショルダーバッグをかけたまま通ってしまったからです。
ああ、いかんいかんと思ってもう一度戻ろうとすると係の人が笑って、もういいよと言ってくれました。小さな日本人はどう逆立ちしてもテロを起こすような顔に見えなかったのでしょう。
しばし、その係員と日本について語りました。日本の津波は大丈夫か?もう復興したか?日本人の頑張りを本当に尊敬しているというようなことを言ってくれました。
社交辞令もあるのでしょうが、日本の車も大好きだと言っていたので、ホンダに勤めている友人がいるから安く売るように頼んでみるよとテキトーなことを言って笑い合いました。
僕が日本人だからこんなふうに笑いあえたんでしょうか。パレスチナの人とはこんなふうに笑えないんでしょうか。
エルサレムは世界一複雑な街でしょう。でもそこで暮らしているひとりひとりは僕たちとそんなに変わらない感覚を持った人達が多いんじゃないかって思います。
ひとりひとりが地道に対話すれば平和の道は開けるはず。だけども「国」という単位になったり「歴史」を持ち出すとそういうわけにはいかない。
すごくたいそれたことを言うけど、少しでも世界が平和になれば良いと思います。そのために少しでも協力したいと思います。
英語も出来ないのにエラソーなこと言えないけど、エルサレムというのはそういうデッカイことを否応無しに考えさせられる場所です。
談笑を終えて広場に入ります。
嘆きの壁の向こう側に大きな月(写真だと小ちゃく見えるけど実際はかなり大きく感じました。)が見えてとても神聖な雰囲気。

嘆きの壁と月

無料貸し出しキッパをかぶって嘆きの壁へ近づきます。

貸し出しキッパ

椅子に座って聖書を朗読している人、壁に手をあてて祈ってる人、立って上半身を前後に揺らしながら目をつぶって祈りを捧げている人、たくさんの人が色々なスタイルでお祈りをしています。壁に向かって左側が男性の区域で右側が女性。女性側は少し狭く、神殿があった位置からも遠い部分でお祈りしています。
壁に向かって左側には部屋のようになっている部分があります。行き止まりは鉄の壁で覆われている。おそらく壁の向こう側はムスリム地区なんでしょう。

思い思いに祈ります
向こう側はムスリム地区かな?

お祈りの仕方は様々だけど、みんな真剣そのもの。何枚か写真を撮ってみたけど、撮りすぎると怒られるかもしれないので静かに眺めていましょう。
みんな本当に神殿の再建とか救世主の降臨を祈ってるんだろうか。それとも多少家内安全とか無病息災みたいな個人的なことも願ってるんだろうか・・・。
表情からするとやっぱり前者のような気がするなあ。
10分くらいお祈りを眺めて奥さんと合流してホスピスに戻りました。
ホスピスに戻ってシャワーを浴びて、オーストリアンホスピス名物の屋上へ。
昼間はウォーキングツアーのコースにもなっていて賑わっている屋上も夜は誰もいませんでした。
イスラエルにとって12月31日や1月1日は全くの平日だそうです。今日も街を歩いていても新年を迎えるクライマックス感は全くありませんでした。
それでも僕たちにとっては年越しなので、密やかに旧市街を眺めながら年を越そうということで屋上のベンチに座ってのんびり。

岩のドームと月

そろそろ12時を過ぎる頃かなと思った頃、突然花火が上がりました。おお!やっぱり新年を祝う人もいるんだ。
だけども街全体から花火が上がるというよりは旧市街の一画から集中して花火があがってます。
おそらくキリスト教区の人達だけお祝いしているんでしょう。ムスリム地区やユダヤ地区はしーんとしてます。主義主張が全く異なる人達がこんなに狭い地域に一緒に暮らしてる街エルサレム。その複雑さは年越しの時にも実感出来ました。
ともあれ僕たちは・・・HAPPY NEW YEAR!

HAPPY NEW YEAR!
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