ゲッセマネを出るといよいよオリーブ山登山です。
登山と言っても舗装された道を登ってくだけだけど。オリーブ山はユダヤ教ではメシアが終末の日にやってくると言われている神聖な場所。メシアが黄金の門を開くと死者が復活するということになってるので、オリーブ山はユダヤ人のお墓でいっぱいです。

ユダヤ人のお墓がびっしり

オリーブ山の途中で寄ってみたい教会がありました。主の泣かれた教会という教会です。この教会は1955年に出来た比較的新しい教会だからイエスが何をしたとかそういう逸話はありません。だけども教会からの眺めが素晴らしいのです。雑誌のPenに載っていて是非とも行ってみたいと思ってました。
朝早いせいか誰もいません。教会に入ると早速望んでいた景色がありました。
十字架の窓の向こうに岩のドームです。
んーなんともエルサレム!

主の泣かれた教会からの眺め

まあ、これだけなんだけど、求めていた景色を見られて満足。入口に置いてあった無人の絵はがきスタンドでヘロデ王時代のエルサレムの想像図の絵はがきを買いました。思いっきりユダヤ教チックな絵はがきだけど、キリスト教の教会で売っちゃうんですね。
主の泣かれた教会から少し歩くとオリーブ山の頂上です。ゲッセマネからここまでほとんど人に会わなかったのに、頂上はたくさん人がいました。観光バスで来る人が多いようです。観光客向けのラクダもいたりします。観光スポットになってるだけあって、かなりいい眺めです。途中にも撮影スポットがいくつかあったけど、やっぱり頂上が一番いい眺めです。

オリーブ山からエルサレムの街を見下ろす

しばらくエルサレムの街並に見とれてから、頂上からちょっとそれたところにある昇天教会へ。
なんでもここからイエスが昇天したとか・・。でもってその時の足跡が残っていると・・。
いや、オリーブの木とか岩でイエスがお祈りしたくらいだったらなんとなく信じきれるんだけど、昇天した証とかってなっちゃうとどうも・・。
ともあれどんな足跡なのかは気になるので行ってみました。
ここは有料(5NIS)です。有料ってところからしてやや観光テイストなのかも。聖墳墓教会も神殿の丘も全部無料ですものね。中に入るとイタリア人の団体旅行者がいてガイドが「足跡」について解説してました。こっちの方向で、ここがかかとでみたいに説明してます。
・・・が、全然分かりません。これを「足跡だっ」って決めたのは誰なんだろ。案外最近決めたんじゃないかなあ・・・。

イエスの足跡ってことになってます

まあ、でも捕まる前に祈った岩、判決を受けて磔になった道、お墓、ときて昇天した場所も見ることが出来て一つの物語が終わった気がします。一応来て良かったと、自分に言い聞かせました(笑)
昇天教会を後にしてオリーブ山を下ります。登山にどれくらい時間がかかるか分からなかったけど、思ったより早く戻って来れたので、山の麓にあるマリアの墓の教会にも立寄りました。
地下にある教会です。聖母マリアやマリアの両親や夫(つまりイエスの父)ヨセフのお墓もあるってことだけどどれがどれやらよく分かりませんでした。神父がたくさんいて重々しくお祈りしていたのであまりウロウロ回れません。別の神父がやって来てロウソクを灯しなさいと勧めてきたのでお布施をしてロウソクを立てました。

地下へ下ります
たくさんの神父さんがお祈りしていました

オリーブ山観光を終えて10時半。タクシーのお迎えまであと30分。ホスピスの屋上で日本から持ってきたベビースターを食べてのーんびりしました。
イスラエルとかエルサレムと聞くと「危険」というイメージだったけど、少なくともこの3日間は安全でした。あ、でも昨日戦闘機が爆撃したようなシーンを見たなあ。あれ結局なんだったんだろ・・・。
そういえば、滞在中にホスピスの入口で100NIS(約2400円)拾いました。拾った瞬間はラッキーって感じだったんだけど、敬虔なユダヤ教徒や、イエスゆかりの場所や、ムスリムしか入ることが出来ないモスクに囲まれているとそのお金を使う気にはなれませんでした。
ということで、チェックアウトする時にホスピスの教会に寄付しました。寄付にしてはそこそこ大きい金額だったせいか、フロントの無愛想なお兄ちゃんがシスターを呼んできて、
「この方が寄付をして下さいました」
と伝えて、シスターは僕たちに深々とお辞儀をしてくれました。
いや、元々僕のお金じゃないですから・・と正直に打ち明ける勇気も語学力も無くエルサレムを後にしたのでした。

グッバイエルサレム
Share this:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


Comments