SMALL WAILING WALL

鉄門を通って神殿の丘から出てすぐのところに、SMALL WAILING WALL(小さな嘆きの壁)という場所がありました。
ここは嘆きの壁の一部なんだけどムスリム地区にあります。だからここでお祈りするユダヤ人は少ないけど、一部のユダヤ人には人気があるようです。
というのは、嘆きの壁は岩のドームよりもかなり低い位置にあるけど、このSMALL WAILING WALLは岩のドームと同じ高さにあります。だから嘆きの壁よりも神聖な場所に近いところと言えるわけなのです。

本当に小さな嘆きの壁

さっき神殿の丘でも思ったけど、神殿の丘はユダヤ人にとっても神聖な場所なのに、イスラム教徒しか行くことが出来なくて、ユダヤ人はこんなに狭くて離れた場所でお祈りしなきゃいけないなんてちょっと可哀想だなあ。
ユダヤ人は壁の石の隙間には願い事?お経?を書いた紙を挟みます。ガイドさんに薦められて僕等もお祈りを書いて壁に挟みました。2013年が良い年でありますように。
小さな嘆きの壁の後はランチ。ガイドさんが近くに安くて美味しいレストランがあるけど行きますか?と誘ってくれたのでみんなで行くことになりました。っていうかツアーはまだ終わりじゃないからランチを食べないって選択肢は無いような気がするけど・・・。
ふと気がつくとツアーから何人かが離脱してる。最初からガイドを無視してたニューヨーカーのおっちゃん二人もいない。最後に見かけたのはアル・アクサー寺院のあたりだったかな。

ムスリム地区の食堂でランチ

ということで10人くらいでランチに行きました。ムスリム地区の食堂です。ガイドさんはなじみのようで店主と交渉して奥の部屋を用意してもらいました。料理はガイドさんが適当に頼んでくれて飲み物だけ好きなものを注文。飲み物代込みでひとり35NIS(約800円)。激安ってわけでもないけど、ガイドさんオススメだし、ローカルな雰囲気たっぷりなのでかなり楽しみ。
僕たちはエルサレム在住のユダヤ人の青年とアメリカに住んでるその青年のおじさんの二人と一緒のテーブルになりました。二人ともちょっとシャイな感じで僕等も英語が得意じゃないからたどたどしい感じでコミュニケーションをとりはじめました。
英語が得意じゃないからガイドさんの説明がほとんど分からないんだって言うと、おじさんが
「彼女の英語は速いから仕方ないよ」
って慰めてくれました。優しい!そしてやっぱり奴の英語は速いんだ!ネイティブアメリカ人が言うんだから間違いない。差詰め大阪のおばちゃんみたいな感じの人なんだろう。僕の英語力だけが原因じゃないんだ。良かった。
おじさんはエルサレム在住の甥っ子を尋ねてイスラエルに来たとのことで既に色々観光したみたい。ウエスタンウォールトンネルが面白いよってオススメしてくれました。大丈夫です。今日の夕方にしっかり予約してます。でもここも英語のガイドだからちょっと心配なんだって言うと
「大丈夫。このツアーのガイドよりはゆっくり説明してくれるよ」
って教えてくれました。おー良かった。っていうか英語でコミュニケーションとれてる!嬉しい。さっきまでガイドの英語がヘブライ語か?って思うくらい理解出来なくて自信喪失してたんだよね。
おじさんはRED HOT CHILI PEPPERSのTシャツを着てたので、調子に乗って
「日本でも人気があるよ。僕等もライブを見に行ったことがあるよ。日本ではレッチリって呼ぶんだよ」
って伝えると
「え?今も人気ある??」
って不思議そうに聞かれました。ああ・・レッチリが好きなわけじゃないのね。よく見ればかなり着古したTシャツだ。たまたま家にあったのか古着で買ったとかなんでしょう。Tシャツを着てる割にはレッチリにはほとんど興味が無い様子。
これはいけない。相手に合わせようと思って適当なことを言ってしまった。このままだと日本はかなり流行遅れの国なんだと誤解されてしまう。
「あ、昔の話でした。僕等がライブに行ったのも10年以上前なんだ。」
すかさず否定しておきました。
おじさんも納得顔。良かった良かった。
一方、甥っ子のほうはおじさんほどには愛想はよくなさそう。見た目高校生くらいだからまあどこの国の男の子もこれくらいの年の子はこんなもんかな。
彼はエルサレム生まれでユダヤ教徒らしく、アダムのお墓のところでは自前のキッパをかぶってました。思えば、ユダヤ教徒でもこのツアーに参加すれば神殿の丘に入れるんだなあ。小さな嘆きの壁どころの騒ぎじゃないじゃないか。神殿の丘ではどんな気持ちだったんだろ・・。英語力の問題とそんなことを聞いても良いのか?っていうのとで聞き出せない。この後は聖墳墓教会も行くけど気分悪くないのかなあ?
僕たちは明日ベツレヘムに行ってみようと思ってるので、甥っ子にベツレヘムに行ったことがあるか聞いてみました。ユダヤ人なのに・・愚問でした。
「一度も無い。僕たちにとってとても危険な場所だから・・・」
ああ、大した英語力も無いのにこんな複雑なことを聞いちゃいけないな。
ちょっと気分を変えて日本はキリスト教じゃないけどクリスマスを祝うんだよ、とっても商業的なんだって少し話題をそらしました。
するとおじさんが、アメリカのクリスマスもめちゃくちゃ商業的だよ、宗教的意味合いはほとんど無いんだって教えてくれました。
なんかこのおじさんホントに良い人だ。完全に偏見だけどアメリカ人って自分の意見を主張するのが得意で人に合わせるのは不得意ってイメージがあるけど、この人は全然違う。複雑な宗教の関係を理解しない英語の苦手な日本人にも話を合わせてくれました。
・・・当然甥っ子はイエスの誕生日なんて興味無し。
とりなすようにおじさんが
「マサダは行った?すごく面白いところだったよ」
って携帯の写真を見せてくれました。確かに凄い迫力。日程に余裕があったら組み込みたかったなあ・・。
そうこうしてるうちに料理がどんどん運ばれて来ました。800円とは思えない程の量。さっきは激安でもないなって思ったけど、この量なら激安だわ。
しかもおかわりし放題だって。
甥っ子くんの飲み物はコーラでした。

イスラエルのコーラ

コーラの缶にくにゃくにゃの文字が書かれていたのでヘブライ語?って甥っ子に聞いたら
「イヤ。アラビック」
・・・また、やってしまった。そろそろ甥っ子くん怒っちゃうじゃないかって心配してたら
「でも読めるよ。コーラって書いてあるんだよ(笑)」
おー、ジョーク飛ばしてくれた!ちょっと打ち解けたかな。
僕等はミントレモネードにしました。見た目はまずそうだけど、さっぱりしててとても美味しい。

ミントレモネード

料理はアンマンで食べたようなフームスとかホブスと思われるパンがたくさん出て来ました。
一番美味しかったのはファラフェルっていうコロッケ。どれもこれも日本人に合ってる味でした。35NISは確かに激安です。
おかわり自由って言われたけど、甥っ子くんがフライドポテトをおかわりしただけで僕たちはお腹いっぱいでした。

たくさん出てきました

丁寧に話してくれる優しいおじさんのおかげで楽しい有意義なランチでした。本当に毎回毎回思うけどもっと英語が話せるようになりたい!
お店を出る前にもう一つ甥っ子くんに聞いてみました。
「明日はお正月だけどユダヤ教ではお祝いするの?それとも普通の日?」
全くもって平日なんだそうです。ヨルダンですらニューイヤーズデイってことで祝日になるのに、ユダヤは違うんだなー。明日はケニアの時みたいに、平日過ぎる元旦を迎えることになるのかな。

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