ヴァレンティノ公園にある美術館で行われているLA PRIMA MONNA LISA展に行った。

最近街中で広告をよく見かけたのでその展覧会は知っていたけど、モナリザがルーヴル美術館から貸し出されるわけないし、まあモナリザにまつわる関連資料の展示なんだろうなと思って特に関心を抱かなかった。

ところがこの展覧会に行った人から内容を聞いてびっくり。

LA PRIMA MONNA LISAとはつまり直訳すると最初のモナリザなのだけど、かの有名なルーヴル美術館のモナリザはダ・ヴィンチが描いた二番目のモナリザで実は最初に描いたモナリザが存在していると。・・・でなんとその最初のモナリザと思われる作品を展示している展覧会だと。

なにそれ!めっちゃ面白い。もうこれは行くしかない!ということでヴァレンティノ公園へ。

Promotrice delle Belle Arti

Abbonamento Museiカードで少し割引してもらってチケット購入。英語対応の音声ガイドを借りる(チケット代に含まれてます)。

こんなに興味がそそられる展覧会なのにお客さんが全然いない(2時間半くらいいて3人しかいなかった)。おそらく僕と同じように「どうせただの関連資料の展示だろう」と思ってるんじゃないか。

展示コースはその「最初のモナリザ」が最後に展示されていて、そこに至るまでダ・ヴィンチが2枚のモナリザを描いたであろうことや、ルーヴル版は2枚目のモナリザであろうこと、本作品がダ・ヴィンチ作品にほぼ間違いないということが丁寧に説明されている。

2時間以上かけてしっかり説明を聴いたので、「最初のモナリザ」を観た時には完全にこれがダ・ヴィンチのものだと確信するに至りました笑

1枚の絵だけをこれだけ丁寧に説明して展覧会が成り立つというのはいかにモナリザが人々を魅了しているかということを表してると思う(まあお客さん全然入ってないけど)。

ということで、ここで知ったことを少しここに書きます。

まずダ・ヴィンチがジョコンダの妻(リザ・デル・ジョコンド)を描いたのは1503年から1506年の間で当時彼女は24歳だったと、ヴァザーリの記録等から分かっています。

ところがルーヴル版のモナリザは24歳にしては歳をとり過ぎているのと、ダ・ヴィンチが1510年以降に獲得した技法を用いているとのこと。ルーヴル美術館もルーヴル版のモナリザが描かれた時期が1503年頃との確証はないと認めている。

またヴァザーリがその絵を実際に見た時は絵はまだ背景が未完成だった。そしてラファエロが模写したモナリザには背景に2本の柱がはっきり描かれています。

ルーヴル版のモナリザを見ると柱はわずかしか描かれておらず、絵を分析すると人物と柱は同時期に描かれているのと、背景の後から描き足されていることから、ヴァザーリが見た背景が未完成の絵とは別物。またラファエロが模写した際に人物が描かれていたのであれば柱もあったはずで、柱の表現がダ・ヴィンチ版と異なるのはおかしいと。

またルーヴル版はダ・ヴィンチが生きている間にフランスの皇帝?(ちょっとここ曖昧です)に寄贈されたものだが、ダ・ヴィンチが亡くなった際に所有していた絵の目録の中にも「ジョコンダの妻」なる絵があったと。

以上のことからどうやらダ・ヴィンチは2枚のモナリザを描いたと思われ、ルーヴル版は最初に描いたモナリザを歳をとらせてダ・ヴィンチが改めて描き直したと。

では今日展示されている絵が何故本物と思われるのか?

まず、背景が未完成で、描かれている女性は若くヴァザーリの証言と一致します。

2本の柱もはっきり描かれておりラファエロの模写はルーヴル版よりもこちらを見て描いたと考える方が自然。

そして使われている画材は全て1503年に入手可能であり技法もダ・ヴィンチがその時すでに獲得していた技法で描かれていると。また、贋作判定に用いられる筆のタッチのヒストグラム?を比べてもルーヴル版のモナリザに酷似している。

ただしダ・ヴィンチが使わなかったキャンバスに描かれている事実がややマイナスポイント。

2時間以上説明を聞いてそれでもまだ聞いていない説明もあったのだけど、最後に展示されている絵を見るのを我慢できなくなって、最後の方の説明を飛ばしていよいよクライマックス。

本展覧会唯一の美術作品、「最初のモナリザ」(イギリスのアイルワースのアートコレクターが購入したことからアイルワースのモナリザと言われています)をいよいよ鑑賞。

独占状態

部屋にいるのは僕ら夫婦と警備の人だけ。独占です。ルーヴルのモナリザはもの凄い人だかりなのに。この絵も正式に世の中がダ・ヴィンチの絵であることを認めたらたくさんの人が押しかけるのでしょう。

アイルワースのモナリザ

2時間以上たっぷり説明を聞いたのでもうどう考えても本物にしか見えません。どういう経路でこれまで有名にならずにひっそりと過ごしてきたのでしょうね「妹」のルーヴル版はあんなに人気者になったというのに。そういう歴史にも物語を感じるな。

ちなみに一昨年見たルーヴルの方のモナリザは以下のような騒ぎです笑

ルーヴル版のモナリザ

こんなに貴重な(少なくとも話題性のある)作品を何故トリノで展示してくれたのかよく分からないけど、とにかく貴重な体験でした。

ヴァレンティノ公園を出てサンサルヴァリョのカフェで一服して体を温めて帰りました。

落ち着いたカフェで一服
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