バンクシーとヘロデオン

ベツレヘムに着くまで名前さえ知らなかったヘロデオンを急遽観光コースに組み込んで(組み込まれて)いよいよベツレヘム観光スタートです。
運転手のワリードさんにコースはお任せ。まずはヘロデオンを目指すことになりました。途中でバンクシーの絵が2つ見られるとのこと。
出発して5分位で車がストップ。
何?って思ったら壁にさりげなくバンクシー!
あたり前かもしれないけど、保護されているわけでもなく落書きレベルの雑な扱い。サイズも小さくてあんまりバンクシーテイスト全開じゃないのでとりあえず写真をパチパチっと撮って終了。

最初のバンクシー

続いてさらに5分くらい走って二つ目のバンクシー。
車の修理工場のようなところに着きました。手前の壁に大きな自由の女神のような絵が書いてあります。
ふーん。これもバンクシーか・・・。って思ってたらどうやらこれは別のアーティストの作品らしい。
バンクシーはこの裏側だよと車を回してもらうと、ありました!Love is in the Air (Flower Thrower)!
一番有名なバンクシーの絵でしょう。デカイ!
ゲルニカもそうだったけど、想像以上にデカイというのはそれだけで感激ですね。

Flower Thrower発見!

車を降りて修理工場のおっちゃんに断って絵の前まで行かせてもらいました。おっちゃんも観光客の扱いには慣れたもんで、ああいいよーって感じ。

大迫力のバンクシー

ピカソとかダヴィンチとかそういう名作を見たときと同じかそれ以上の感動がありました。なんてメッセージ性の強い絵だ。しかも雨ざらしにされてしまうこんな環境に描き殴るとは・・・。めちゃくちゃカッコイイ!
ぶっちゃけこれでベツレヘム観光の目的の9割は達成されました。キリスト教徒の方には申し訳ないけど、バンクシーのこの絵に比べたら、イエスの聖誕教会はオマケみたいなもんです。ましてやヘロデオンなんて・・。じっくり堪能して、そのヘロデオンとやらに向かうことにしました。

富士山みたいなヘロデオン

10分位でヘロデオンの近くにきました。富士山によく似た形だけどサイズは随分小さくて、車はあっと言う間に頂上付近まで登りました。
駐車場を降りて見晴らしの良いところでワリードがざっくり案内してくれました。
あっちがエルサレムで、あっちが死海でみたいな。
それに次いでさらっとあれがユダヤ人の入植地って教えてくれました。特に憎しみがこもっているわけでもなく、エルサレムと同じく観光名所の一つを教えるトーンでしたね。
ワリードは駐車場で待機して僕等だけで入場料を払ってヘロデオンを観光することになりました。
施設の入り口が頂上近くなので、ちょっと歩くだけで頂上に着きます。
途中の山道で見晴らしがいいねーって話してたら。空に数機の戦闘機が!うわっ何?物騒な・・。
ってちょっと不安になった直後に・・・
「ボンッ!」
という爆発音のような大きな音がしました。
何?何?何事?爆撃?
ことの真相は分からないけど、とにかくでかい音。
そして飛行機が飛んできた方向を見ると黒い煙が黙々と上がってる・・・。パレスチナ自治区のどこかを爆撃したんでしょうか?それともたまたま火事かなにかの煙でしょうか?不安で仕方ないけど、周りにいる人達がパニックになっている様子も無い。爆撃の音というのは今まで聞いたことが無いけど、爆撃にしては少し音が小さかったような気もする。というか爆撃じゃないって思わなきゃ観光なんてしていられない。
じたばたしてもしょうがないし、僕等は今の出来事は「無かったこと」にして観光を続行しました。

なにやら黒い煙がもうもうと・・・

ということで山の頂上を目指して再び歩きはじめて5分位で頂上に。頂上は火山の噴火口のようにえぐられていてそこに遺跡があります。
山の頂上をくりぬいて要塞にするなんて確かにスケールがデカイ。なかなか見応えあるぞ。
だけど、ワリードがベツレヘムで1番の観光名所だと言った割には、観光客は少ない。僕等をいれても10人くらいだったんじゃないですかね。
しかもみんな驚く程あっさりさらーっと流して帰って行きます。

頂上をくりぬいて要塞を作りました
当時はこんな要塞だったようです。

頂上をくりぬいた要塞部分に降りるとサウナ施設の跡地とかが割といい状態で残ってます。あとはローマ遺跡にお決まりの円柱の残骸がゴロゴロって感じです。
まあこんなもんでしょうね。全く期待していなかったというかそもそもさっきまで知らなかった遺跡なのでこれでOKです。要塞には裏口のようなトンネルがあってそこを通ってチケットを買った入口の近くまで降りて行けます。このトンネルはその昔ユダヤ人がローマ人に抵抗したときに使われたものらしいです。観光客が通れないトンネルもいくつかあります。たぶんそのトンネルのどこかにヘロデ王のお墓があったんでしょうね。地球の歩き方によれば2007年にヘブライ大学が発見したそうです。
でも、現地の看板や入口でもらったパンフレットには一言もそんなこと書いてなかったからちょっと眉唾かも。
ともあれスケールの大きい遺跡なので結構楽しかったです。
ワリードと合流して車で山を下りる時に、ローマ時代のものと思われる遺跡が見えました。円柱で囲まれているプールのようです。
ワリードにあれ何?って聞くと
「プール」
との解説が帰ってきました。
ええ、ええそうでしょうね。プールでしょうよ。そりゃー見れば分かるよ。でもなんとか大王のプールとかなに時代のプールとかそういう背景あるでしょうよ。まあ詳しく説明されても多分英語がわからなかったと思うけどさ・・・。
ということで次はイエス・キリストが生まれた場所と言われている聖誕教会へ向かいます。

プール以外のなにものでもありません
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