リマ旧市街

ランチを食べ終えて、リマで遊べるのはあと1時間。
のんびり海を見て時間を潰すっていう選択肢もあるんだけど、どうにも心残りなことが一つ。リマの旧市街を見ずして日本に帰っていいもんだろうかと。
だけど、旧市街は治安が悪いっていう噂も聞くし・・・。
旅行の最後の最後で首締め強盗に合うなんて絶対避けたい。あるいは何らかのトラブルに巻き込まれて飛行機に乗り遅れるとか・・想像しただけでもおっかない。
そんな理由で旧市街は諦めようって自分に言い聞かせてたんだけど、やっぱり我慢出来ない。
奥さんは
「地球の裏側まで来て、やり残したことがあったら後悔するんじゃない?」
と言ってくれました。
うん。確かにそうだ。
よしタクシーでさくっと行って、さくっとホテルに戻ろう。リマのアルマス広場を一目見られればそれで満足だ。それなら危険もなかろう。
そうと決まれば急がなきゃ。
何しろ時間はあと1時間しかない。
治安がどうのこうのというより、このギリギリの時間で観光をもう一つ組み込むということそのものがリスクのような気もするけど(笑)
ともあれラルコ・マルの前でタクシーの運転手を捕まえる。
ペルーでタクシーに乗るのは初めて。メーター制じゃなくて交渉で値段が決まる。日本人は足下を見られやすいらしい。海外で交渉というのはちょっと緊張感があります。
「旧市街までいくら?」
「20ソル(600円)」
ボラれているのか妥当な値段なのか見当もつかないけど、全くもって問題ない値段。
いつものように奥さんが果敢に値段交渉を開始する。
ところが、運転手さん一歩も引かない。
そもそもぼったくられてたとしても600円だからね。僕はその値段はどうでも良いんだけど、なんとなくその運転手の雰囲気が怖くて、目的地に着いた途端にもっとよこせってことになるんじゃないかってちょっと心配だった。
奥さんは全く値段が下がらないことにちょっと不満そう。
うーんどうしようってちょっと悩んでいると、ラルコ・マルの警備員みたいな人が声をかけてきた。
タクシーの運転手と何やら話してる。
雰囲気から察するに
警備員「どうしたの?」
運転手「旧市街まで20ソルって言ったんだけど、高いと思ってるみたい」
警備員「20ソルかまあそんなもんだよね。お二人さん、だいたいそれが相場だよ」
こんな感じでした。
ほんの少しの不安と不満があったけど、この警備員の後押しもあってこのタクシーに決定!いざ旧市街へ!
タクシーはもの凄い勢いで走り出しました。ガンガンクラクションを鳴らして飛ばす飛ばす。今まで乗った観光向けの専用車や空港送迎車と全く違う。
この分だとすぐ着くなと思っていると、走り出して10分位で渋滞に巻き込まれました。

金曜夕方のリマは大渋滞

さっきとは打って変わってゆっくり進むタクシー。運転手さんはちょっとイライラしてる感じだったけど、時々
「これが裁判所だよ」
とかちょっとした案内をしてくれました。
思っていたより良い人そう。まああたり前なんだけど。
タクシーの運転手に対する警戒が解けていくのと反比例して、街の雰囲気の変化に警戒心が高まる。やはり新市街に比べると治安は悪そう。単に道が狭かったり、古い建物が多いってだけかもしれないけど、緊張感が高まる。
ついでに残り時間も気になり始めた。タクシーに乗って30分以上経ってる。
こりゃあ、アルマス広場に着いたらすぐホテルにもどらなきゃ。
結局40分くらいかかってようやく旧市街の中心地のアルマス広場に到着。20ソル払って降りようとすると、運転手が20ソル札を見て何やら語り出した。
お札に描かれた建物を指差してどうのこうのと。
奥さんが
「ああ!あそこの建物がお札に描かれてるって教えてくれてるんじゃない?」
へー、なるほどね。
でも目の前の建物とお札に描かれてる建物全然違うけど・・。
まあいいやありがとうって感じで降りようとすると、まだ何か言ってる。
何よ?
もしかして、これじゃ足りないってことか?やっぱり最初の不安的中?
もっと寄越せってか?
それにしてはラルコ・マルで交渉した時の迫力がない。申し訳ないんだけどさあって雰囲気だ。
ちょっと不安と怒りがこみ上げてきたので、放っておいて降りちゃおうって思ったら、運転手は悲しげに猛アピールを始めた。お札に入っている黒い筋を指して何かを言っているようだ。
これは、もしかして・・。ニセ札ってこと??
コックリうなずく運転手さん。
よく分からないけど黒い筋の位置によってニセ札って見分けられるらしい。
マジかい!このお札はさっき空港の両替所で変えたお札なのに。あんなにオフィシャルな両替所でニセ札渡してくるなんて。多分窓口の兄ちゃんは確信犯だったな・・。
タクシーに乗る前にあれだけ熾烈に交渉した20ソルだけど、あっさりニセ札掴まされて空港で無駄になってたんですねえ。
ともあれこの運転手さんに罪は無い。細かいお札をかき集めて20ソル支払いました。
タクシーを降りると陽が落ちて空はかなり暗い。治安が悪いというのに夜になってしまった。それに加えてニセ札騒動。すっかりビビってしまいましたね。
残り時間も30分くらいしか無いもんだから、とにかく記念写真だけ撮ってとっとと帰ろうってことになりました。
来てすぐ帰るなんて何の為にここに来たんだろ(笑)。
でも、心残りはこれで無くなりました。

アルマス広場に面したカテドラル

周囲を警戒しながらカテドラルやペルー政府庁舎をバックにお互いの記念写真を撮って撤収。気にし過ぎかもしれないけど撮影中に周りの視線をちょいちょい感じる。目が合う人がみんなスリに見えます。あまりの自分達のビビりっぷりになんだか笑えてきました。二人して
「怖いねー」
って言いながら何故か爆笑。アルマス広場滞在は2,3分。この2,3分の為に40分かけて来ました。そしてまた帰らなくては。帰りはバスで帰ろうってことで、バスが走っているというTacna通りを目指して歩く。
途中、サント・ドミンゴ教会を通りました。
もしナスカに行けなかったら観光しようと思ってた教会です。アズレージョや地下墓地が有名な教会です。もちろん見学なんてしてる時間はありません。
とりあえず写真だけ撮ります。もしこれが添乗員ツアーだったら苦情必至の観光ですね。外観の写真撮影で終わりですから。滞在時間30秒。
教会の前にいた女性警察官にバス停を尋ねる。警察官と話しているだけでもの凄い安心感。
あー今この瞬間だけは絶対に強盗に教わることはないんだという安心感。いや実際リマ旧市街がどれだけ危険なのかは分かりませんが、明るいのどかな海辺の街から、暗闇のゴミゴミした街に放り出されたんで、ともかく不安だったんですね。
放り出されたって言っても自分で望んで来たんですけど。

サント・ドミンゴ教会

優しい警察官に地図まで貰って、Tacna通りを目指す。地図で見ると500mもないのに随分長く感じたなあ。
早足で歩く。途中小さな印刷屋が集まった地区を通りました。職業柄何やらもの凄い親近感。不安が少し和らぐ。不安というものはやっぱり何ものか分からないってところから来るんでしょうね。リマのならず者が集っている思い込みしかない街から、リマの印刷屋街に認識が変わった途端ちょっとほっとしました。

リマの印刷屋街

そうこうしているうちにTacna通りが見えて来ました。交通量の多い大きな道路です。さあミラ・フローレスに行くバスを無事捕まえられるでしょうか??
追記:下の写真が20ソル偽札です。ちょっと雑だけど透かしも入ってます。気持ち紙が硬い気がしますね。裏面の建物はPALACIO DE TORRE TAGLEとのこと。アルマス広場の近くにあるようですけど、広場に面してはいなかったです。

ニセ札(表)
ニセ札(裏)
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