美術シロートの僕でも、さすがにウフィツィ美術館だけは絶対見逃せないと思ってたけど、アカデミア美術館は行かなくてもいいかって思ってた。この美術館も予約してないともの凄く並ぶみたいだし。でもやっぱり現地に来て、すぐそこにオリジナルのダヴィデ像があるんだと思うと我慢出来なくなった。
地球の歩き方には有名美術館も夕方になると行列が少なくなるって情報が載ってたので、15時30分頃にアカデミア美術館に行ってみると確かに並んでる人の数が少ない。列の進みも早くて10分くらい待ったらすぐに入場出来た。
アカデミア美術館の見所といえば1にも2にもダヴィデ像。最初の展示室を出て角を曲がると、約20メートル先にダヴィデ君がドドーンと待っていてくれる。
初めてダヴィデが目に飛び込んできたときのインパクトは相当強烈。
シニョリーア広場のコピーはあまりにもあっけなく設置されているからありがたみが感じられないけど、アカデミア美術館のオリジナルは展示室の雰囲気やそこに至るまでの見せ方がとっても素晴らしい。
ちょうどダヴィデを取り巻くように置かれていたイスに座っていると、ダヴィデの美しさにやられたのと歩き回った疲労がどっと出たのとで10分くらい動けなかった。ダヴィデを見ながらの休憩なんて、どんだけ贅沢な休憩なんだろうか。
ただ白状すると、広場のコピーとアカデミア美術館のオリジナルの違いはイマイチよく分からなかった。オリジナルをじっくり見た後にコピーをよーく見比べたけど違いは分からず。強いて言うとコピーは風雨にさらされていて汚れてるけど、オリジナルはキレイだなーってことくらい。ウチの奥さんはコピーのほうが短足に見えるって言ってたけど、それもよく分からず。
(ただダヴィデ像は下から見上げることを前提としているから頭は少し大きめに作られているらしい。その辺が遠くから見ることができるコピーのほうが短足に見えた原因かも)
オリジナルのダヴィデ像を見た人の感想で
「コピーとは全っ然違う!」
っていう意見を聞くと自分の目が節穴に思えて自己嫌悪に陥りそうになる。まあ、広場のコピーが良く出来てる!ってことだ。そう自分に言い聞かせることにする。
でも、とにかくダヴィデに感動はした!アカデミア美術館を見逃さなくて良かった。もしかしたらダヴィデ像だけでウフィツィ全体のインパクトを超えるかも。
ダヴィデの他にはジャンボローニャの「サビーニの女たちの略奪」のオリジナルも相当な存在感を放つ。これもシニョリーア広場のロッジア・デイランツィ(Loggia dei LANZI)にコピーがある。かなり大きい彫刻なので一番上の人が見づらくて、最初は男同士が戦っているのかと思った。
で、ジャーマンスープレックスのような形で相手を放り投げようとしてるのかと思ったら、相手は女なのね。女を略奪してるところなのか。自分の芸術音痴にややあきれてしまうけど、まあこれもそこそこ感動、いやホントに。
あとはとにかくミケランジェロの彫刻がいっぱい。未完の奴隷の彫刻とか未完のパレストリーナのピエタ像(これはミケランジェロ作かどうか定かでないらしい)とか。
とにかくミケランジェロって人は未完の作品が多いように思う。ドゥオーモ美術館のピエタも未完だし。カーサ・ブオナロッティにも未完の彫刻がいっぱいあったし。
常にいっぱいの作品を同時進行で作ってたんだろうなあ。こんなに偉大な大先生なんだからもっと仕事を絞ってゆとりをもってやれば良いのにねえ。
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