ダブリン2日目。トリニティカレッジ内の学食で朝食を食べて、構内にある旧図書館へ。1732年に完成したこの図書館は階建ての書棚がとても美しいためダブリンの人気観光スポットになってる。
なんでもスター・ウォーズのジェダイアーカイブ(ジェダイの図書館)のモデルにもなったとか。
この図書館にアイルランド国宝のケルズの書(Book of Kells)が収められているので、「図書館」の入場チケットではなく「Book of Kells」の鑑賞チケットを買います。トリニティカレッジのウェブサイトでチケットを買う時にこの「Book of Kells」のチケットが果たして本当にあの綺麗な図書室の入場チケットなのかちょっと迷ったけど、「Book of Kells」のチケット=図書館の入場チケットです。
最初に展示されていたのはOghamという原始的なアイルランド文字の石碑。5世紀かそれ以前には存在していて、ラテンアルファベットの派生形と思われるそうな。
この石碑はは領土の境界線を示すのに使われていたらしい。ここからこっちは俺の領土だから入ってくるなみたいなことが書いてあるんですかね。
続いてBook of Kellsの展示。実物の展示の前にBook of Kellsについてパネルで丁寧に説明されている。
ここで衝撃の事実。ケルズの書は8世紀になんとスコットランドのアイオナ島で書かれたと考えられているとのこと。アイオナ島ってつい数日前にたまたま観光したあの島か!あの修道院で書かれてたんだ・・・。アイオナ島もケルズの書も1週間前まで知らなかったけど、たまたまこの数日で訪れた2箇所が繋がってるなんて不思議な縁を感じる。
古い木の書棚が目当てでここに来たけど俄然ケルズの書にも興味が湧いた。ではなぜこの書物が「アイオナの書」とは呼ばれずに「ケルズの書」と呼ばれるかというと、アイオナの修道院がバイキングに襲撃されて修道士たちがこの本をアイルランドのケルズに移したらしく、最終的に発見された場所がケルズだったからケルズの書と呼ばれています。まあなので本当にアイオナ島で書かれたかどうかは謎のようです。
中身はラテン語で書かれた福音書なのだけど、文字が装飾されていてとても美しいことで評価されているようです。面白かったのはこの書物の制作に携わった修道士は過酷な環境で書いていたようで、「もうやめたい」とか「寒い」とかの愚痴の落書きも残ってるそうです。
一通り説明を受けて、いよいよ実物のケルズの書とご対面。実物は撮影禁止です。
真ん中あたりのページで開かれたケルズの書は本が傷まないように時々開いているページを変えるそうです。(毎日変えるって言ってた気がする)。
目に焼き付けたつもりだったけどもうどんなページだったか忘れちゃったな。
ケルズの書の後はいよいよ例の木の書棚コーナー。The Long Roomと呼ばれています。階段を上がって部屋に入るとドドーンと現れるど迫力の書棚。
んー凄い・・圧倒される。石造りの建物の中にこんなに素晴らしい木造の書棚があるなんて。日本にもこういう大掛かりな木造装飾ってあるのかな?
残念ながら現在図書館は修復プロジェクト中で、本を一旦別の場所に移して、防火装置の改善とか、環境管理システムの更新とかを行ってるとのことで、ほとんどの書棚は空。まあぱっと見はよくわからないのだけど、よく見ると残念な感じ。でもトリニティカレッジ側は「滅多にない一大プロジェクトを垣間見れるこの上ないチャンス」とアピールしてました。物は言いようですねえ。
ロングルームにはブライアン・ボルのハープがあります。アイルランド最古のハープだそうです。アイルランド旅行を計画するまで知らなかったけど、ハープはアイルランドのシンボル。ギネスビールやライアンエアーのロゴにもハープが使われています。ちなみにギネスビールはアイルランドがハープを国のシンボルに決める前からハープをロゴにしていたので、アイルランドはハープの向きをギネスとは反対にしたロゴにしたそうです。
いやーここは素晴らしい。ダブリンの街の印象はこの図書館になるだろうなあってくらい強いインパクトだった。
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