トリニティカレッジの図書館を見学して午後はギネスビール本社の博物館へ。結構な距離があるのだけど道中でどこかのお店に入ってランチしようということで徒歩で向かう。
結局適当なお店が見つからずギネス本社に着いてしまった。
ランチを食べていざギネス・ストアハウス(博物館)へ。
ギネスビールの製造方法や歴史についておしゃれに展示してます。
まず・・ギネスという名前は創設者のアーサー・ギネスからとられてます。アーサー・ギネスはギネスビールの5番目の原材料とみなされているそうな。
他の4つは・・水、ホップ、大麦、酵母(のはず)。その原材料にどれだけ拘っているかという説明が続く。
多分原材料にこだわっているのは多分どこのビール会社も同じでしょう。ギネスをギネスたらしめているのはやはりあの色。真っ黒ビール。こういう黒ビールをスタウトビールというらしい。スタウト(Stout)というのは強い、頑丈という意味。色が濃く香りが強いビールだからそう呼ばれているらしい。
では何故黒い(強い)のか。大麦を高温で焙煎して、まあ平たくいえば焦がしてるから黒いわけですね。この焙煎過程こそがギネスの特徴なわけです。
焙煎温度は232度(華氏232度で、摂氏は111度)。この温度が絶妙でこれ以上だと麦が燃えてしまい、これ以下だと香りが弱くなってしまうらしい。
この温度でしっかり焙煎することでコーヒー、チョコレートのアロマが香る麦に仕上がるわけです。個人的には醤油みたいな味をちょっと感じるけど。
ということでまずはギネスビールの製造過程の説明。続いて面白かったのは樽の歴史。昔はできたビールは木の樽に入れられて工場からパブあるいは外国に出荷されていました。これが時の流れによってだんだんステンレス製の樽に変わっていく。
木の樽と比べてステンレス製の樽は大量生産に向いていて軽量だからコストパフォーマンスがいいわけです。そうすると木の樽を作っていた職人の仕事が無くなる。ギネス社は最初の頃は職人の技術を活かして家具などを作らせていたようだけど、徐々にそれも減って結局は解雇していかざるを得なかったらしい。
当時の職人が樽を作っていく様子が収められたビデオが流れているのだけど、これが実に面白い。目見当で気を切って形を揃えて鉄の輪をはめてどんどん樽を作っていっちゃう。いやー木の樽を何百、何千、何万?と作ってきた職人の所作って思わず見惚れちゃうなあ。
合理化の波・・・合理化は誰も否定できないから悲しいですね。
その後ギネスの広告の変遷。さっきトリニティカレッジの図書館でもハープを見たけど、ハープはアイルランドのシンボル。でもアイルランドが国としてハープをシンボルに定める前からギネス社はハープをロゴに使っていたと。なのでアイルランドは国のシンボルマークを作るときに、ギネスの商標権を侵害しないようにギネスのロゴの向きとは反対にハープを描いたんだそうな。
ちなみにアイルランドの航空会社ライアンエアーのロゴもハープ。・・・で向きを確認してみるとギネスと同じ向き。でもまあ形はずいぶん崩して描かれてるから多分商標権的に問題ないのでしょうね。業界も違うから関係ないのかな?
とまあギネスビールの製造方法、ギネスの歴史、広告など多岐に渡った展示でかなり楽しめるわけだけど、最後に待っているメインイベントは最上階の展望スペースでのギネスビール試飲。
外はあいにくの雨模様なので絶景とは言い難いけどダブリンの街を一望しながらギネスビールが楽しめます。
散々ギネスビールに関する蘊蓄を仕入れた直後なので若干感慨深いものもある。
いやー素晴らしい経験。もともとギネスビールは好きだったけどますます好きになりました。ビールの試飲の後は1階に戻ってお土産を物色。世界的なブランドだけにグッズも豊富。Tシャツが大人気。僕らは何も買わなかったけど。こうして世界中にギネスファンを作っていくのですねえ。
帰りはトラムで街の中心に戻りました。雨がどんどん激しくなったのでポンチョを被って昨日と同じ中華レストランで夕食を食べて、夜はホテル(トリニティカレッジの学生寮)でおとなしくしてました。
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