モナストリーの麓でロバタクシーをチャーターして山を登っていきます。ベドウィンの男の子が息を切らせながらロバのお尻を叩いてロバを走らせます。ロバに乗ってる僕等は楽チンだけど、男の子は大変だろうなあ。この山を一日に何往復するんだろ・・・。
そんな罪悪感がちょっとあるけど、ロバタクシーは極めて快適です。断崖絶壁の細い道を登っていくのでちょっと怖い時もあるけど。
初めてロバに乗ったけど楽しいなー。とってもカワイイし。
15分位で頂上のちょっと手前に到着。

一気に山を駆け上がってくれました。

到着するなり男の子はチップを求めてきました。これが無いと彼の収入はゼロなんでしょう。相場がよく分からないけど料金の10%の2JDを払いました。すると男の子はえらい剣幕で怒りだしました。
「こんなに頑張ったのに!」
そんな感じでしょう。その怒りようから見て多分2JDは即場より相当少ないのかもしれないけど冷たくあしらっちゃいました。可哀想だったかな・・・。
男の子がプンプンしながら山を降りて行くのを見届けて、山頂のモナストリー(エド・ディル)に向かいました。向こうから白人の観光客が降りてきて
「もうちょっとだから頑張って!」
と励ましてくれました。
いやいや僕等ここまでロバで来たから全く疲れてません。・・とはもちろん言わず、ありがとーって笑顔を返します。
ということで徒歩30秒程度でエド・ディル到着。

エド・ディル到着

エド・ディルの中に、ベドウィンのおじいちゃんがいてギターのような弦楽器を演奏しています。それがエド・ディルの壁に共鳴してかなり大きな音となって雰囲気を盛り上げてくれます。チップを貰ってる風でもないし、道楽でやってるようにも思えない。観光サービスなのかな?
話を聞いてみると、昨日のペトラ・バイ・ナイトでも演奏していたらしい。

エド・ディルの入口で演奏するおじいちゃん

エド・ディルの先には見晴らしの良い小高いビューポイントがあります。そこに向かう途中で、朝に出会ったオーストラリア人と再会しました。彼らは歩きで山を登ってきたみたいだけどめちゃくちゃ元気。
「ヘーイ、ジャパニーズ。見晴らしが良いからこっちに来いよ!」
って感じ。彼らは昨日までワディラムにいて明日からエルサレムに行くらしい。僕等と逆の旅程だねって話をしてオーストラリアや日本の情報交換をして別れました。こういうなんでもないやり取りが旅の楽しみの一つです。
ビューポイントは渓谷が見渡せてとってもいい感じ。まるで絵のような景色が広がります。
しばらくビューポイントで休憩してたら風が冷たくて寒くなってきたので山を降りることにしました。
ゆっくり歩いて降りると登りの時には気がつかなかったゾウのように見える岩や遺跡をたくさん発見しました。
やっぱり歩きには歩きの良いところがあるなあ。この辺りの岩はチョークみたいな黄や青の色をした岩があります。なんとも不思議。自然のものとは思えない・・。40分くらいかけて下山。

黄色や青の岩

山の麓にあるレストランでランチすることにしました。レストランは二つあって、どちらもブッフェスタイルだけど、明らかに高級店と庶民向けに区別されていました。値段が倍近く違ったので、ケチって庶民食堂をチョイス。
・・・失敗でした。
お腹は空いているのに、マズくてほとんど食べられず。ランチを食べているとさっきのベドウィンの男の子が近くを通りました。何か文句でも言われるかと思ったけど、満面の笑みを投げかけてくれました。うむ・・。チップが安かったのはすっかり忘れたんだろうか。それともそもそも2JDは相場だったんだろうか・・・。
ま、ともあれ恨まれてはいないようなのでほっとしました。
ランチを食べてから、ビザンチン教会跡地のモザイクを見ながら入口のほうへ戻りました。

ビザンチン教会のモザイク

円形劇場の近くまで着いた時点で15時。もうホテルに戻るかどうか悩んだけど、歩いて30分程度だという犠牲祭壇を目指してみることにしました。30分くらいなら頑張って登れるでしょう。

犠牲祭壇を目指します

かなり急な登り道だけど、この辺りの岩もとても綺麗な色をしています。

綺麗な色の岩

ガイドに書いてある通り、30分位で犠牲祭壇に到着。この辺りもエド・ディルと同じくらい眺めがいいです。ロバタクシーの男の子が住んでいると言ってたベドウィン村も見えました。
犠牲祭壇ではベドウィンのおばちゃんが土産物屋を開いていて激しく営業をかけてくるのであんまりじっくり犠牲祭壇を見ていられません。ちょっと外れた眺めの良いところで一休みしてたら、おばちゃんの娘?と思われる女の子が二人やって来て、自分のお店がすぐ近くにあるから見てくれと言う。全く買う気がないので断ると、営業はあっさり諦めて、僕たち二人の写真を撮ってくれると言う。
デジカメを貸すとファインダーを全く覗かず連写連写。おいおいそれでホントに僕等が写ってるの?僕等が大笑いしていると女の子も大喜び。なんだか可愛らしくなってきたので一緒に記念撮影しました。

犠牲祭壇

犠牲祭壇の近くにライオン・モニュメントがあるってことだったけど残念ながら見つけられずに下山しました。山を降りたところに、瓶詰めの砂絵を売っている売店があったので覗いてみました。
朝に通った時はあんまり気にならなかったけど、ペトラのいたるところでカラフルな岩を見かけたのでこの砂絵の意味がようやく分かりました。この砂絵はペトラのカラフルな岩を砕いて出来ていたんだなあ(多分)。
砂絵自体はヨルダンじゃなくても世界中色んな観光地で見かけるけど、そう考えるととても貴重なものに思えてきた。
しかも、料金をプラスすると絵にアラビア語の自分の名前を入れてくれるらしい。
当然やるでしょ。7JDの小さめの瓶を選んで名前を入れてもらいました。

名入れ中

紙にアルファベットで名前を書くとそれをアラビア語に訳してくれます。合ってるのか間違ってるのかなんてもちろん分かりませんが。
名入れは完成品の砂を一旦途中まで崩して、瓶の内側に絵の具のようなもので描きます(砂で書いてくれるんだと思ってたのでちょっとがっかり)。その後またキレイに砂を詰め直して完成。わずか2分程度で出来上がりです。
すごい良いお土産!この砂絵はペトラ遺跡の入口周辺のお土産屋でもたくさん売ってます。そこでも名入れをしてくれるか分からないけど、名入れはなかなか嬉しいサービスでした。
お土産をゲットして、そろそろ帰ることにしました。
エル・ハズネに挨拶してシークを歩いていると、何やら彫刻のようなものを発見。朝に通ったときにこんなのあったっけ?
地球の歩き方を見てみると「ラクダをひく男の像」と書いてあります。
あぶないあぶない。大事なもんを見逃すとこだった。
ま、風化しちゃってほとんど何がなんだか分からないけど見逃さなくて良かった。

ラクダをひく男の像。分かりますか?

17時頃に遺跡入口に戻りました。入口近くにある高級ホテルのモーベンピック・リゾート・ペトラのアイスクリームが激ウマってサミールに教えてもらってたからちょっと寄ることにしました。
・・が、なかなか入口が見つからない。ようやく入口を見つけたけど、セキュリティが厳重で空港の持ち物検査のようなところを通らないと入れません。さすが高級ホテル。だけど、ここってそんなに治安が悪いんだろうか?
ともあれホテルの中に入ってアイスを食べてみました。500円以上もするアイスだったけど確かに美味しい。1日の疲れもあったせいかもしれなかったけど、ホントに美味しかった。ありがとうサミール!

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