スペインに来た最大の目的のフィゲラスのダリ劇場美術館にやってきました。チケットの指定時間の20分くらい前に入口に行ったら、入場して良いよってことで少し早く入場しました。
美術館に入るとまずはなかなかぶっ飛んだ感じの中庭に出る。その中庭を囲った回廊にダリの絵がたくさん展示されています。
ピカソの肖像画なるものもあるのだけど、いったいどこがどうピカソなのかさっぱり分からない。でも楽しくて美しい。
この美術館は名前の通り元は劇場だった。中庭の向こう側にはおそらく当時はその劇場の舞台だったと思われるスペースがあり、大きな絵が飾られています。その舞台の下がダリ自身のお墓になっていて、その舞台下のお墓も訪れることができます。
この美術館全体がダリの霊廟になっているわけですね。そんな美術館は他にあるでしょうか?
2階に進むと、有名なメイ・ウエストの部屋。メイ・ウエストというのはエロティックな雰囲気を持つアメリカの女優だそうです。
鼻の穴が大きくひょうきんな感じで、とてもエロティックとは思えないのだけど、面白い展示であるのは間違い無いです。階段があって高いところから「顔」を楽しめます。
その他にも面白い展示多数。
一番感動したのがキリストの絵。モデルを使って光の当たり方を検証して描いたらしい。
聖痕とか茨の冠とかキリストを彷彿させるアトリビュートは無し。それでも人間を超越した存在であることはひしひしと伝わってきます。アングルもキリストを見上げるのではなく上から見下ろすようなアングル。
この漁港は明日行く予定のダリの故郷であるカダケスの漁港だそうな。
十字架の聖ヨハネのキリスト(Christ of Saint John of the Cross)というややこしいタイトルの意味は、16世紀の聖人で十字架の聖ヨハネと呼ばれる人がいて、その人が描いたと言われるキリストの構図からインスパイアを受けた作品ということのようです。
そうなるとその十字架の聖ヨハネの絵も見てみたいものですが、どこにあるんですかね。
美術館の最後に展示されていたこの作品が一番感動したわけですが、この記事を書く際に調べて知ったのだけどなんとこの作品は通常はグラスゴーのケルヴィングローヴ美術館に展示されているそうで、たまたまこの期間はこのダリ劇場美術館に貸出しされていたとのこと。
ちなみに2024年7月にグラスゴーに戻るそうです。なんてタイミングだ!ここでこの作品を見られて本当に良かった。明日この絵の舞台となったカダケスも行くわけだし。
美術館を出るとすぐ隣の別の建物にダリがデザインした宝石が展示されています。ダリの不思議な世界を宝石で表現していてここも見応えがある。
結局3時間近く堪能しました。下手くそな文章でこの感動をうまく伝えられていない気がするけど今まで訪れた美術館の中で一番良かった。
バチカン、ルーヴル、ナショナルギャラリー、プラド、グッゲンハイム、色々行ったけどここには敵わない。強いてあげるとするとボルゲーゼ美術館はここに並ぶかもしれない。でもアーティスト単独の美術館で、そこに本人のお墓まであるからこちらの勝ちです。
そういえばマテーラのダリ美術館も良かったな。ダリって凄いな。
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