夜のホエールウォーク?ツアー

旅行前にネットで調べていたら満月の日のホエールウォークツアーなるものを見つけて申し込んだ。個人のガイドが催行しているらしい。
僕らの到着日が満月の日。夕方到着予定だから間に合わなくもないだろうけど、飛行機が遅れたら無理なので満月の翌日の今日で予約をしました。

予定の19時前にWhatsAppアプリにホテルのロビーに着いたよと連絡が入った。WhatsApp便利ですねえ。僕は仕事のためにインストールしたけど、海外旅行で現地の人とやり取りするなら是非とも入れておきたいアプリです。要は日本のLINEと同じです。

ロビーに行くとガイドのDaveが待っていました。190センチはあろうかという巨漢。挨拶をして早速出発。客は僕ら二人だけのようです。
「いやー、君たちラッキーだよ。今日はヘルマナスの湾に親子のクジラがいるからね。」
おー、そうなんだ。良かった。10分くらい車を走らせて海に到着。
ん?ここは何か見覚えがある・・。ついさっきまでいたところでした。クジラの親子って夕方見てた親子か。なんだ。まあいっか。
展望台から海を眺める。まだ月は登ってきてないけどぼんやり明るくて、昼間と違って誰もいないからとても神秘的。映画のグランブルーでジャック・マイヨールが夜の海でイルカと泳ぐシーンがあるけどそんな雰囲気だ。
夕方と同じ位置にクジラの親子。夕方よりも元気に動いてる感じがする。時折ヒレや潮を吹くのが見える。
ちょっと近づいてみることになった。

夜のヘルマナスの海

月はまだ登ってこない。満月の昨日より40分遅いらしい。
Daveの本業は写真家。昼はホエールウォッチングのガイドをしてるらしい。
クジラについて色々教えてくれた。クジラはこのヘルマナスに子育てに来ているのだそうな。母親はチーズのようなミルクを赤ん坊に与え続ける。その間何も食べないからめちゃくちゃ痩せてしまうらしい(1日のミルクの量とかどれだけ痩せるとかも教えてくれて、すごく驚く量だったのだが忘れてしまった)。
この湾で子供は泳ぎ方を覚える。時折ジャンプするのは体力をつけるためらしい。
「鳴き声は聞こえるの?」
「是非聞かせたいね。耳に手を当てて深呼吸してみよう。」
リラーックス。聞こえるのは波の音。クジラの歌声は聞こえないけど、潮吹きの音は時々聞こえる。
「ここは大陸の南端。海の向こうには南極しかないから空気がキレイなんだよ」
そっかー。当たり前だけどそうだよなー。そう言われてみると空気が澄んでる気がしてきた。

「そういえば、日本ではもうすぐラグビーのワールドカップがあるね。観に行くのかい?」
「いやー、僕らはサッカーは好きだけどラグビーはね。南アフリカは強いよね。」
「そう。すごく楽しみだよ。」
へー。(とこの時はあまりピンと来ていなかった僕はこの旅行をきっかけにラグビーへの興味がどんどん湧いて、帰国後南アフリカ対ナミビアを豊田まで観に行った。その後すっかりラグビーにはまって花園と横浜の準決勝、決勝まで行ってしまったのですが)

「ちょっとセンシティブなこと聞いて良い?」
「良いよ。何?」
「まだ人種差別は残ってると思う?(ちなみにDaveは白人)」
「残ってる。でも君の考えている差別とは逆だ。今は白人が虐げられている。同じ能力であれば黒人の方が仕事に就きやすい。アパルトヘイトの反動で今苦しんでいるのは白人だよ。娘も仕事を探すのが大変なんだ。」
「そう・・。」
実はさっきヘルマナスからホテルに戻るときに送迎してくれたアルバート(黒人)に同じことを聞いていた。アルバートも答えは「イエス」だった。
今でもレストランなどで嫌な思いをすることはあるとのことだった。
白人のDaveと黒人のアルバート、二人とも差別は残ってると言った。
深いところまでは分からなかったけど、黒人、白人に対してしこりやわだかまりのようなものが残っているのは間違いない。そりゃあ簡単にはいかないよね。

クジラの親子を眺めながら色々話した。月はまだ登ってこない。
もう少し眺めが良いところがあるからそっちに行こうってことになって車で少し移動。散歩道をちょっと歩いて海を見下ろす。月が登ってきた。綺麗だなー。
高いところに来たのでクジラはもう見えない。もうホエールウォークツアーではないなこれは。

月が登ってきた

Daveはよくここに来るんだって。よし、最後にもっと高いところを案内するよってことでまた車で移動。ヘルマナスの街から僕らのホテルの方へ向かう。途中でタウンシップがあった。ホテルのこんなに近くにタウンシップがあるのか。知らなかった。

「ヘルマナスにもタウンシップがあるんだね」
「この半年で貧しい黒人が4万人も移動してきて、突然占拠したんだ。スポーツセンターのプールもバラック小屋がいっぱいで使えなくなった。」
明らかに怒ってる。まあその気持ち分からなくもないが。
「国も自治体も彼らを追い出さない。なぜこんな違法行為がまかり通るのか。」
「この辺はカラード(混血の人たち)の地域だよ」
というような地域事情を教えてくれながら車は丘を登っていく。
「こっち側一面はワイン畑。」
真っ暗でほとんど何も見えないけど。昼間はすごく綺麗みたい。
10分くらい車で登って頂上に着いた。

高台からヘルマナスの街を眺める

ヘルマナスの夜景。・・特段美しいわけでもない。対岸はガンズバーイの街だったかな?聞いたけど忘れちゃった。
しばらくここで話をしてツアー終了。クジラはほとんど関係ないツアーだったけど、地元の人と色々話せてよかった。おすすめレストレンも聞けたし。
帰ろうとして車で走り始めた時に、向こうから黒人が一人歩いてきた。真っ暗な一本道で周りには何もないし、街からここまで歩いたら1時間はかかるはず。真っ暗闇を何のためにここまで来たのか?はっきり言って超怖い。
「なんだあいつ。周りにはなんもないぞ?!」
Daveも不審がる。すれ違った時に車を止める。え?止めるの?
「何やってんの?」
Daveが話しかけた。おお、こんな不審な人と話しちゃうんだ。まあこっちは車だから安全なのか?
しばらく話し込んで、じゃあなと別れた。
「なんだって?」
「頂上にお祈りに来たんだって。敬虔なクリスチャンが多いんだよね。彼らはよくお祈りするんだよ」
そうなんだ・・。完全に不審者と疑ってごめんなさい。いや、これ差別じゃないですよ。白人だろうがアジア人だろうが、あの真っ暗な山道を一人で歩いてきたら誰でもやばいやつだと思っちゃいますよ。

10分くらいでホテルに到着。ツアー料1600R(二人分)を払う。結構な札束の枚数だったけど、Daveは確認もせずにポケットにしまった。信用の証なんだろうか。目の前で確認するのは失礼ってことかな。本来はここにチップも足すべきだったのか?一瞬で色々考えちゃったけど、握手してバイバイしました。

ちなみにDaveとは今もやりとりを続けてます。特にワールドカップは南アフリカが優勝したので盛り上がりました。

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