アテネからメテオラの最寄りの街カランパカへ行く方法は電車か長距離バスが一般的。電車は直通の電車は朝の8時21分アテネ発の1本だけ。
僕たちメテオラに移動する日は、サントリーニ島から朝の飛行機でアテネに戻って、それからメテオラに移動する予定だったので、この直通電車には間に合わない。ということで、バスにしようと考えてました。
バスの時刻表を確認する為に、ツーリストインフォーメーションで時刻表をもらおうとしたら、
「金曜(僕らがメテオラに移動する日)はバスはお休みだよ」
・・・金曜日は元日だったのです。もしかしたらそんな事もあるかもしれないとは思ってはいたけど、本当に休みだと聞くとショッキング。
事務所のおじちゃん曰く、電車なら運行してるけど移動する人が多いから満席かもよ。
明日の朝8時から国鉄の事務所が開いているから行ってみなさいとのこと。
ということで、旅行2日目の朝は朝食を7時過ぎに済ませて、国鉄事務所に向かいました。(たまたまホテルから徒歩5分くらいのところでした)
電車で行くなら直通電車は無理だから、途中のパレオファルサロス駅で乗り換える方法しか無い。旅行前にネットで調べた情報だと、アテネ10時51分発に乗ればカランパカに15時31分に着くけど、その次の電車だと20時過ぎにカランパカに着く乗り継ぎパターンしか無い。アテネの空港に着くのは9時20分の予定。そこからラリッサ駅まで1時間30分で行けるか?不安だったけど、とりあえずその電車を押さえて、乗り遅れたら次の電車を買い直すことにした。
8時ちょうどに事務所が開いて、僕たちは待ち札3番目。最初は窓口が一つしかあいていなかったので、なかなか順番が回ってこない。
実はこの日は11時の飛行機でサントリーニに向かうので8時34分にシンタグマを出発する空港直通の地下鉄に乗る予定だった。シンタグマ駅もホテルもここからすぐ近くとはいえ、切符を買ってからホテルをチェックアウトしてたんじゃ間に合いそうも無い。
ということで、奥さんは先にホテルに戻ってもらいチェックアウトしておいてもらうことにした。
奥さんがホテルに向かってからほどなくして僕の番が回ってきた。
もしかしたら事前に調べた情報と違うこともあるかもしれないから、カランパカ行きの時刻表を確認したいと窓口のおっちゃんに言うと、おっちゃんは即座にチケットを発券し始めた。
「いやいや時刻表を見たいんだけど・・」
「ちょっと待ってろ」
チケットが発券されました。見るとやっぱり8時21分発の直通電車のチケット。観光客はだいたいこの電車で行くのでしょう。でもこれには僕は乗れないんですよ。
もう時刻表を見せろとかやり取りしてる暇はない。
「この電車には間に合わないから、10時51分の電車にしてくれ」
と言いながら予め紙に書いておいた時刻表を見せると
「この電車は無い」
と言い放った。
え?マジ?正月だから運休か?じゃあ次の電車(20時過ぎに着く電車)は?
「ない!ない!プロブレム!」
と言って、僕の紙に書いてある電車の時刻全てにでっかくバッテンをつけた。
・・・こりゃあいよいよメテオラ行きを諦めなきゃならんか?
その刹那、隣の窓口に座った女性係員がなにやらおっちゃんに話しかけた。
言い返すおっちゃん。何回かやり取りがあった後、おっちゃんがしぶしぶ
「しばらくしたらそこの窓口で聞いてみろ」
と顎でしゃくってざっくり隣の方をさした。
「そこ」ってどこよ。とにかくこのおっちゃんはダメだ。女性係員とのやり取りはさっぱり分からんかったが、どこの国にもいる職場のガンコ親父なんだろう。
しばらく待っていると別の窓口が開いたので聞いてみた。
するとあっさりOK。10時51分発の切符が買えました。
さっきまでのやり取りはなんだったんだ。プロブレムとかでっかいバッテンとか。
とにかく買えて良かった。
チケットは往復で23.4ユーロ。片道だと14.6ユーロなんだけど往復だと2割引きになります。だけども行きはパレオファルサロスまではIC(インターシティという特急)なので追加料金が9.7ユーロ。日本円でだいたい往復4,300円。片道4時間以上かかる長距離なのに激安だなあ。
切符を買えた時点で空港行きの電車の出発まであと15分。
ダッシュでホテルに向かうと奥さんがチェックアウトを済ませて待ってくれていた。
そのままトランクを受取ってシンタグマ駅へダッシュ。
無事空港行き電車にも間に合いました。やれやれ。
蛇足ですがパレオファルサロスはギリシャ文字で
「ΠΑΛΑΙΟΦΑΡΖΣΑΛΟΣ」
と書きます。さっぱりちんぷんかんぷんです。
ぱっと見では「ナアアイオファプザオス」とか読んじゃいそうです。
微妙にローマ字に似ているからさらにややこしいです。
なにしろ「P」はローマ字の「R」だったりするわけです。
でもそのややこしさが旅の面白さだったりもします。
国鉄事務所の窓口のおっちゃんも日常生活だと腹立たしい限りですが、旅だと良い思い出です。
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