赤の広場の脇からクレムリンの壁沿い(クレムリンが「壁」という意味だそうなのでクレムリンの壁沿いというのはおかしいのですが)に歩くと無名戦士の墓がありましした。日本でいうと靖国神社のようなところでしょうか。兵士が直立不動で警備しています。アテネの無名戦士の墓もこんな感じだったな。

無名戦士の墓

無名戦士の墓を通り過ぎてしばらく歩くとクレムリンのチケット売り場がありましたた。案の定長蛇の列です。

クレムリンのチケットオフィス

ただ、どういうわけか自動販売機なら並ばずにチケットが買えるとトリップアドバイザーに書いてあったので、行列を無視してチケットオフィスに入ると確かに3台ほどある自動販売機には誰も並んでいない。
自動販売機であっさりチケット入手しました。ただし自動販売機では武器庫のチケットは買えません。教会と期間限定のエキシビジョンに入れるスタンダードなチケット(500ルーブル)のみ選択できます。それにしてもなぜ自販機には人が全然並んでいないんだろう。長蛇の列に並んでいる人たちは自販機の存在を知らないんだろうか。それともみんな武器庫のチケットを買いたいのかな?

クレムリン入口

拍子抜けするほどあっさりチケットが買えたのでトロイツカヤ塔から入場します。周りの観光客はサッカーシャツを着た人が多いです。
クレムリンの内部に入るとクレムリン大会宮殿といういかにも共産党という感じの無骨な建物が建っていて、その向かいには兵器庫。これらの建物は見学できないらしい。人の流れについて歩いていきます。かなり広大な敷地なようだけどクレムリン内部のマップはないのかな・・。周りの観光客を見るとちらほらマップらしきものを持っている人を見かける。チケット売り場に置いてあったのかな?マップを持っているフランスのユニホームを着た男の子二人組に声をかけて、マップの写真を撮らせてもらえないかと聞いてみると、2つ持ってるから1つくれるという。
おおーありがとう!
・・だたし!
え、条件付き?
「フランスを応援してね」
「ハハ!なるほど了解!今日の試合は僕らも観に行くからフランスを応援するよ!」
「いやいや今日だけじゃなくて大会全体を通じてフランスを応援してよ。そしたらマップをあげる」
「分かった。一番は日本だけどその次にフランスを応援するよ」
と言って握手して交渉成立(笑)僕が日本人だとわかると「サムライブルーだね。」と言ってくれました。
日本サッカーもそこそこネームバリューが出てきたようです。こないだのセネガル戦が良い試合だったからかな。

もらったマップはどうやら音声ガイドを借りるとついてくるようです。クレムリン内部は広いけど見学できる場所は限られていて中心の広場に建てられている教会群がハイライト。まずはそこに行こう。

クレムリンの教会群

建物の脇を通り抜けると広場に出ました。おー、壮観!金の玉ねぎドームを載っけた教会に囲まれた広場です。なぜにこんなにたくさんの教会が必要なのでしょうか・・・。とりあえず片っ端から広場の教会を参拝。壁画の保存状態が良く色鮮やかなものが多いです。ARCHANGEL CATHEDRALという教会の壁画がとりわけ綺麗だけど、棺が多くてちょっと不気味。
あとはCHURCH OF THE DEPOSITION OF THE ROBE OF THE HOLY VIRGINという教会にあった磔刑の木彫り作品が印象的でした。ルーベンスの絵をモチーフにしてるそうです。でもまあこういうと大変失礼なのですが教会はどこもそんなに変わり映えが無い。面白かったのはPATRIARCH’S PALACEという宮殿に展示されている昔の工芸品たち。道化師の形をした盃とか宝飾品がついた時計とか単純に面白かったりキレイだったりで分かりやすかったです。

教会群の端にある大きな大砲(ツァーリ・プーシュカ)と鐘を見てダイヤモンド庫の方へ。

ツァーリ・プーシュカ

僕らのチケットでは武器庫やダイヤモンド庫は入れないんだけど、ダイヤモンド庫には世界一のダイヤがあるそうなので、もし入り口でチケットを買えるなら入りたいなと。もしチケットを買うのに長蛇の列なら諦めようという感じで行きました。

ダイヤモンド庫はこの左手です

入り口らしきところに兵士が二人立っています。
「ダイヤモンド?」
「そうだ。パスポートを見せなさい」
ほー、建物に入るだけでもパスポートが必要なんだ・・。普段の旅行ではパスポートはホテルのセキュリティボックスに入れておくけど、ロシアではパスポートを携帯しないといけないので持っていたパスポートを見せて建物に入ります。チケット売り場みたいなブースにおばちゃんが座っていて誰も並んでない。
「チケットはここで買えるの?」
「買えますよ。一人500ルーブルね。」
クレムリンの入場料と同じ。さすがに結構するね。でも世界一のダイヤというやつを見てみたいので入ることにしました。パスポートをデポジットすると日本語の音声ガイドも無料で借りられます。あと30分で昼休みになるからそれまでに戻るように指示されました。

厳重なセキュリティチェックを受けて入場。「庫」というだけあって、大きな金庫のような部屋です。分厚い扉をくぐって入場。
ウラル地方で採掘されたというダイヤの原石が山ほど展示してあって、徐々に研磨されたりカッティングされたりして宝石になっていく様がわかるように展示されています。それぞれの工程段階の展示で大量のダイヤが置かれている。一体この部屋全体の時価総額はいくらになるんだろう・・・。
その隣の部屋には王冠だとか杖だとかにはめ込まれた巨大なダイヤモンドたちがたくさん飾られています。200とか300カラットのダイヤが麻痺するくらいにたくさん置かれてます。しかし地球の歩き方に書いてあった世界一のダイヤがどれなのかよくわからなかったけど、とにかく最大級のダイヤがいっぱいです。ダイヤモンド庫にいる警備員(兵士)にこの部屋のすべてのダイヤの価値はいくらくらいになるか聞いてみました。
「わからない・・」
んー、わからないというのは英語がわからないのか、単にこの人が知らないだけなのか、誰も価値を測ることができないという意味なのか・・。お互いの英語力の限界でそれ以上は分かりませんでした。
かなりじっくり見学して昼休みの時間が近づいてきたので、音声ガイドを返しに行きました。そこのおばちゃんは英語が流暢だったのでもう一度ダイヤモンド庫の全ダイヤの価値を聞いてみました。
「かなり昔から保管しているから誰も価値が分からないの。価値が高すぎて保険もかけられないのよ。」
おおーそうなんだ・・。さっきの兵士もそういうことを言っていたんだろうか。保険も掛けられないから自分たちでがっちり守るしかないんだなあ。
単純に宝石だけの価値だけでも1兆円分はあったんじゃないかな・・・。
地球の歩き方には、ダイヤモンドに興味がなければスルーしてもいいと書いてあったけど、僕らにとってはクレムリンで一番のハイライトでした。良いもん見せてもらいました!

ダイヤモンド庫ツアーの広告。こういうのが観れます。
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