ドゥブロヴニクからモンテネグロ日帰りツアーその4 帰り道編

ブドヴァ観光を終えて、ドゥブロブニクに戻ります。明日のモスタル日帰り旅行もブランコの旅行会社を利用するので、明日もブランコが連れてってくれるのか聞いてみました。明日はちょっと人数が多いからたぶんミニバスで自分が案内しないと思うとのこと。そうか・・。ブランコなら多少のわがままも聞いてもらえそうだったからちょっと残念だな。
「ツアーを予約した時にメジュゴリエには寄れないって言われたけど、やっぱり寄るのは難しい?」
「んー多分寄れると思うよ。明日案内する人に言っとくよ。」
おー、ラッキー。ダメ元でもお願いしてみるもんだ。さすが社長さん。旧ユーゴスラビアのシークレットエージェントだったというブランコに聞きたいことがありながらもこれまでちょっと遠慮して聞いていなかったけど、今日でお別れなら聞いちゃおう。まずは・・・やっぱりこれ。
「聞いていいのか分からないけど、シークレットサービスってスパイしてたってこと??」
するとイザベルが、
「良い質問!私も実はすごく気になってた」
やっぱり僕たちだけじゃないんだ。どうなのブランコ?・・ドキドキ。
「そうだよ。産業スパイ。色々な技術をドイツから盗んでたんだ」
こちらの緊張に反して実にあっさりと、まるで若い時はお父さんもワルだったんだぞぐらいの軽さで答えてくれました。こんな重要情報を墓場まで持っていかなくていいのでしょうか・・。
「今朝も言ったけど、パスポートは5個持っていてドイツのユーゴスラビア大使館で働いてた。素性がばれると殺されてた。でも一度もばれなかったけどね。だからドイツ語、英語、ロシア語が話せる。」
ど、どこまでホントなんだろ。
「ユーゴスラビアが解体した時にはクロアチア軍としてボスニアのムスリムやセルビアと戦ったよ。血やおしっこにまみれて獣みたいな臭いになっちゃったから家に帰った時は飼い犬が逃げて行ったよ。親父はチトー政権でヒトラーと戦ったんだ。」
スパイだのヒトラーだのって映画の世界じゃないか・・・。もう少し英語力があったらもっと聞きたいことはあるんだけどあまりに失礼な聞き方になってもよくないからこの辺までかな。そうこうしているうちにフェリー乗り場につきました。行きはコトル湾の綺麗な景色を見ながら湾をぐるーっと回ってきたけど、帰りは時間節約のためにフェリーでショートカットします。

帰りはフェリーでショートカット
フェリーがすれ違います
コトル湾の夕暮れ

ショートカットしてしばらくするとクロアチアとモンテネグロの国境に着きました。行きの国境とは違う国境で裏道なんだそうです。国境はシーズンや時間帯が悪いと越えるのに2,3時間かかることもあるんだそうな。多分ローシーズンの冬は心配ないんだろうけど、今日は正月だったのでブランコはちょっと心配していたみたい。

国境を越えてからも色々みんなでワイワイ話していたらあっという間にドゥブロブニクに着きました。ブランコがいない時に、ゴンサル、イザベル夫婦にブランコにチップを渡すか?と相談したら、正月に働いてくれたしかなりプライベートなことまで語って楽しませてくれたからツアー代金にちょっと上乗せして支払うとのこと。確かにそうですね。期待以上のガイドだったのは間違いないです。
そういえば正月に働く社長さんなんてすごいねえと言ったら、「NO MONEY, NO HONEY」と笑って答えてくれました。これブランコの口癖らしく、ことあるごとに「NO MONEY, NO HONEY」って言ってました。金が無けりゃ何もできない、つまり働かざる者食うべからずってところでしょうか。初めて聞いたけど良い格言だな。ブランコの思い出とともに覚えておこう。ということで僕らも別れ際にちょっとだけチップを渡しました。
ありがとうブランコ!明日もまたブランコだったら良いのに・・・。
今日からはホテルが変わってグランド・ヴィラ・アルジェンティーナです。このホテルの隣のエクセルシオールホテルが有名ですが、改装中で泊まれませんでした。でもこのアルゼンティーナもかなり良いホテルです。シーズンオフだったのでテラス付のいい部屋にしました。真っ暗でよく分からないけど海に面していて右側にはライトアップされた旧市街が見えます。今日はお昼も遅かったので旧市街のコンビニでスナックをちょろちょろっと買ってビールを飲んで早目に寝ることにしました。

三日月とドゥブロヴニク旧市街

プロチェ門から旧市街に入るといつも扉が閉まっていたドミニコ会修道院が開いていたので入ってみると、新年のミサ中でした。賛美歌を歌ってる間に修道士が寄付を集めて回っていたので僕らも小銭を寄付。信者じゃないけど今年も良い年になりますように!ということでモンテネグロ(ペラスト)とクロアチアで初詣も完了!

ドミニコ会修道院の新年ミサ
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