いよいよ今回の旅の目的のモンテビアンコ!フランス語で言うところのモンブラン!イタリアとフランスに跨った山で頂上がイタリア側にあるのかフランス側にあるのか論争があるようだけど、一般的にはフランス側と解釈する人が多いようです(僕のイタリア人同僚たちも渋々そう解釈してました笑)なので、モンブランというフランス語読みが日本でも一般的なのかもしれません。
トリノに引っ越してからずっと来てみたかった。夏季限定のロープウェイでフランス側にも行ってみたかったので季節は夏と決めていて、山好きの同僚のステファノが朝早くに来るべしと言っていたので土曜に前泊して早朝に来ようと思っていて、天気の良い日を選んでいたら3年目の夏になってしまいました。
天気予報をギリギリまでチェックしてロープウェイのチケットを買ったので、朝一6:30のロープウェイは買えなくてその次の6:45出発のロープウェイ。
ホテルの人に朝食のお弁当(パニーニ)を作ってもらって、早朝に宿を出発。歩いて10分くらいでSKYWAYの乗り場に着いた。
周りを見渡すと本格的なクライマーばかり。ヘルメットとかロープをしっかり準備して待ってます。
ザ・観光客な格好をしているのは本当に僕ら二人だけ。・・・大丈夫だろうか?普通に展望台があるだけって聞いてるのだけど・・。
ともあれ行くしかない。まあSKYWAYの係員も何も言わないので大丈夫でしょう。
ロープウェイは中間駅のPavillonを経由してPunta Helbronnerという頂上に着きます。それぞれ10分くらいの乗車時間で30分もかからずに標高3426mの展望台に到着しました。
本格的なクライマーは展望台には目もくれず外に飛び出して登山し始めた。この人たちモンブランに登頂する気なんだろうか?まあ3400m地点からスタートすればあと残り1500mくらいなので日帰りでモンブラン登頂できるのかもしれない。
展望台に向かったのは実に僕らだけ。観光で来る人はもう少し遅い便で登るんだろうな。同僚のおすすめを忠実に守りすぎて朝早すぎたのかもしれない。でも静かで良い。
いや・・もう・・言葉が出てこないほどの絶景。素晴らしい。SKYWAYのチケットは結構高かったけど、本当に来てよかった。
展望台の周りにはテントがたくさん張られていたので、ここで一晩を明かした人もいるようだ。ここから見る夕日とか星空とかさぞかし素晴らしいだろうな。寒そうだけど。
絶景にしばし圧倒されていたら、次の便でご夫婦がやってきて旦那さんが僕らの写真を撮ってくれた。日本人ばりに角度とか方向とかにこだわって何枚も撮ってくれた。
お返しに僕もご夫婦の写真を撮ってあげたのだけど、僕の影がご夫婦に入らないようにとか、この位置からとか色々注文が入った笑。まああれだけこだわって撮影してくれたからね。もちろん協力しますよ。
さて、そろそろ先に進みます。夏季限定でここからフランス側の展望台AIGUILLE DU MIDIに行けるのです。当日の天候によって休止してしまうのだけど、今日は無事運行してる。
チケットは窓口で買えます。チケットを買おうとしたら何やらロープウェーの調整中で、床を開けて修理してました。修理をしていたおじさんが「乗るのが不安になるから見ない方が良いよ」と冗談を飛ばしてきた。ふむ・・何も思ってなかったけどそう言われると確かに乗車直前にロープウェイの調整してるって怖いな。
でももちろんやめません。いざフランス側へ出発。
ロープウェイは途中何度も止まる。最初の方はさっきの修理していた光景が脳裏をよぎったけど、これはおそらく絶景を堪能できるように敢えて止めているのだと思う(そう願う)。
チケット代も往復で確か30か40ユーロと結構高いので、単なる移動手段ではなくできるだけ長く楽しませてくれようとしているんじゃないかな。
氷河の割れ目を縫うようにして登山者たちが歩いている。後で知ったのだけど今年のモンテビアンコの夏は気温が高く氷河が崩れて登山者が亡くった事故が多かったそうです。
ロープウェイは途中で何度も止まるのでフランス側のAIGUILLE DU MIDIまで30分くらいかかって到着。ずっと絶景なので全く飽きません。
AIGUILLE DU MIDIに来たかった一番の理由はこちらの方が標高が高いってこと。
イタリア側は3466mでフランス側は3842m。大した差ではないのだけど富士山より高いと言うのがポイントだった。ペルーに行った時にもしかしたら3776以上に行っていたのかもしれないけど、とにかくはっきりと富士山より高い場所なので行ってみたかった。
でも富士山より高いかどうかよりも今乗ったロープウェイからの景色が本当に素晴らしかったので、既に大満足。
フランス側の展望台はイタリア側と比べてちょっと複雑な構成で山を取り囲むようにいくつかの建物が山に据え付けられていて、展望台がいくつもあります。
建物は岩山の崖に据え付けられていると言う感じで外からだと安定感がないように見えてちょっと怖い。
展望台の施設を見れば見るほど、一体誰がどうやってここに建設したのか興味が湧いてくる。館内にいくつか建設当時の写真も残されてました。はっきり言ってその建設現場で働くのは正気の沙汰じゃないです。
恐怖心とかのネジが数本飛んでるんでしょうね。写真を見てるだけで怖くなる。
そんな建設当時の恐怖心に似た感覚を味わえる場所がいちばん上の展望台にあります。ガラスの箱が飛び出た形の展望台。かなりの行列ができていたけどせっかくなので僕らも並んだ。
ガラスを傷つけないようにスリッパに履き替えてガラスの展望台へ。係員が写真を撮ってくれます。僕らの写真をとってくれたのはやる気のないお兄さんで、もう一人のお姉さんは丁寧に撮ってくれてたのでお姉さんがよかったなあ。逆光で顔は真っ暗。まあそれは僕の携帯カメラの性能のせいか。
真下を見るとかなり怖い。しかし、当然のことながら、これを設置した人がいるわけですよね。すごいねえ・・・
ここに来て1時間半くらい経った頃から奥さんは頭痛が出始めた。ペルーのクスコに行った時も数時間で高山病になったので高地に弱いのかも。
ひどくなる前にイタリア側に帰りましょう。ロープウェイ乗り場に並んだのは10時頃で、行きはガラガラだったロープウェイ乗り場は結構混んでました。15分くらい順番を待って帰りのロープウェイに乗車。行きとは反対側の景色をじっくり見る。
イタリア側に戻ると朝話したロープウェイの整備員が僕らを見つけて「無事戻ってこれたね!」と声をかけてくれた。いやーイタリア人のこういうコミュニケーション、すごく好き。
展望台は大勢の人で溢れてました。やっぱり早朝に来て良かった。雰囲気が全然違う。朝はもっと神聖な感じだったけど今は観光地。
展望台の下にカルテルカフェがあって窓際の席がちょうど空いていたのでエスプレッソをいっぱいいただいた。モンテビアンコにカルテル、エスプレッソ。実におしゃれだ。
ちなみにお土産屋もとてもおしゃれで、フランス側のお土産より洗練されてた。勢いでSKYWAYのマグネットとアルプスの本を購入。アルプスの本は前から欲しかった本なのだけどイタリア語なので躊躇してた。でもモンテビアンコで買ったら思い出になるのでここで思い切りました。表紙の裏にモンテビアンコの本屋で買ったことを示すスタンプも押してくれた。
お土産も買ってPunta Helbronnerから降りてPavillonへ。ここには植物園があるのでちょっと立ち寄った。
ここまで来るとモンテビアンコというよりはいつものハイキングコースって感じ。それでもまだまだ絶景なのだけど。
SKYWAYができる前のロープウェイの展示物とか建設時の写真の展示とかを見て下山。
最高の観光だった。トリノに来て一番感動した場所かもしれない。非常におすすめです。
書いたように朝一が良いと思います。
参考までにおおまかな時間を残しておきます。
6:45:SKYWAYの麓の乗り場を出発
7:10:Punta Helbronner着。しばし展望台で山を眺める
7:30:フランス側のAIGUILLE DU MIDIへ出発
8:00:フランス側のAIGUILLE DU MIDI到着。展望台から絶景を眺める。
10:00:イタリア側のPunta Helbronnerへ出発
10:30:イタリア側のPunta Helbronner到着。カルテルカフェで一服。
11:40:Punta HelbronnerからPavillonへ降りて、植物園等へ。
12:30:麓のSKYWAY乗り場に戻る
と言うことで合計約6時間の観光でした。ずばり最高です。トリノから気軽に行ける場所としては最高の観光地。4000m級アルプスと氷河を間近に感じられます。
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