トリノに来て最初の夏にモンブラン旅行を企画したのだけど、残念ながらコロナにかかってしまい中止。

翌年の夏はタイミングが合わず企画できず。来年の夏はおそらくトリノにはもういないのでなんとしても今年の夏にモンブランを見に行きたい!ってことで週末1泊2日でモンブランに行くことにしました。

モンブランはクールマイヨールという街からSKYWAYというロープウェイで行けます。(もちろん登頂するわけじゃないです。ロープウェイで近くまで行くだけ)

同僚から朝早くに行ったほうが良いと言われていたので日曜の6時半のチケットを購入。ということで土曜の今日は近くの谷をハイキングして、クールマイヨールに泊まって翌日のモンブランに備えます。

10時前にモンブランの麓のVAL VENYという谷に到着。車を止めて駐車場近くにあったカフェで朝食。

駐車場に着いた時点ですでに絶景

朝食を食べてハイキングに出発。今日のハイキングには2つのコースがあって、一つは川沿いに急勾配を進む道。もう一つは自動車も通れる緩やか(だけど遠回り)な道。

近くにいた人たちは川沿いの道を歩き始めたので、ぼくらも付いていく。すると途中で立ち入り禁止の看板を超えていった。若干心配だったけどそれでも普通の登山道だったのでしばらく進んでいくと、途中で道が川に流されてしまっていた。立ち入り禁止はそういうことだったんだな。前を歩いていた人たちはどうにか川を越えられないか検討していたけど、僕らは早々に諦めて一旦駐車場に戻って、もう一つの道を進むことにした。(しばらくして川越を検討していた人たちもこちらの道に戻ってきました)

もう一つの道は舗装されていて歩きやすくそして絶景。最初からこっちを歩けば良かった。

素晴らしい景色

緩やかに登っていくのだけど、全くきつくなく快適に歩ける。そして何より終始絶景。

ザ・アルプス!

1時間半くらい歩くと、山小屋に出ます。ここでちょっと早いけどお昼休憩。

あちらの山小屋でお昼休憩
いかにも山の男って感じの集団がいました

この絶景を見ながらの最高のランチを終えて、山小屋の裏手にある小さな湖(というか池?)へ。

この湖は氷河が溶けた水でできています。どういうわけか綺麗なブルーの湖とグレーの湖。

こちらは綺麗な水色
こちらはグレーに濁った湖

ネットの紹介記事を読むとこのグレー湖の周りの岩は崩れやすいため、近くによるのは危険とのことなので遠巻きで眺める。70歳くらいのおばあさんが一人で来ていて、岩に登るのに手を貸してくれと頼まれたので引き上げてあげた。

比較的楽なハイキングとはいえ一人でここまで来るなんて凄いなあと感心して少しお話ししたところ、地元の方だそうでここにはしょっちゅう来るのだそうだ。昔はこの湖はとても大きかったのだけどこの10年でどんどん小さくなって、年によっては湖ができないこともあるそうだ(ちなみにミラノの友人のフランチェスコが去年来た時は湖はなかったそうです)。

湖に白く浮かんでいるのは氷?と聞くと「もちろん。この湖の周りは全部氷河でその上に石が覆い被さってるのよ」と教えてくれた(イタリア語なので多分そう言ってたと思う)。

よく見ると確かに・・岩の下に氷が見える。そうか僕らは今氷河の上に立ってるのか。

湖のフチが氷河なのがわかりますか?氷がどんどん溶けて湖に水が流れ込んでます。写真の上の方の白い部分も氷河

山の上の方の氷河が溶けた水が流れてきているのかと思っていたのだけど、氷河の一部が溶けた湖なんだなあ。そう分かるととてつもないものを見ている気になってしばらくここに止まった。おばあさんが見晴らしのいい場所を教えてくれて、そこでぼーっと湖を見ていたら時々氷が崩れて湖に落ちる音が聞こえてくるのも聞こえる。

凄い・・さすがアルプス。氷河もこんなに身近に見ることができるんだなあ。

思いの外感動して1時間近く湖の周りにいた。そろそろ戻って宿に向かいますか。

来た道を戻っていく。帰りは下りなので行きよりも楽ちん。途中でおじさんが双眼鏡でなにやら岩山を見ているので、何を見ているのか聞いてみたところ岩山の崖にカモシカが2頭いると。

え?どこどこ?教えてもらったけどさっぱりわからない。その方向をカメラで写真に撮ってモニターを見せてどこに写っているか改めて教えてもらったところ、ようやく分かりました。

カモシカはどこにいるでしょう?
正解はこちらでした!

野生のカモシカ!凄いなあ。しかしこのおじさん、よく見つけたなあ。よく見つけられましたねと伝えると、このおじさんも地元の人でよくここくるそうで、どのあたりにカモシカがいるか知ってるんだって。この岩山エリアはカモシカがよくいるのだそうだ。

教えてくれてありがとう。

ちなみに2頭いたようだけど1頭しかわからず。

駐車場まであと少しというところでまた山小屋があって、暑かったのでジェラートでも食べようってことで立ち寄った。

こちらの山小屋で休憩

残念ながらジェラートはなかったのだけど、冷たいヨーグルトがあったのでそれをいただいた。色々なところで見かける食べ物だけど初めて食べた。酸味のあるジェラートって感じでこれはこれでとても美味しい。

モンブランを眺めながら冷たいヨーグルトをいただく

店員のお兄さんが「Tour du Mont Blanc(モンブランの周りを数日かけて周るハイキング)をしてるの?」と話しかけてきた。いやいやそんな大それたことはしてないです。日帰りのハイキングですよ。そんなに本格的に見えないでしょ。

店員さんはトリノの学生だそうで夏休みはここでバイトしてるんだそうな。気さくなお兄さんでそれぞれの山の名前を教えてくれた。正面がモンブランだそうな(ただし頂上はここからは見えない)

今度はトリノで会いましょ!って挨拶して別れた。

もうすぐゴール

帰りもずっと絶景。明日のSKYWAYが本命なのだけど、今日のハイキングだけでも十分素晴らしい。こんな素晴らしい場所に1時間半で来れてしまうトリノってなんて良い街なのだろう。

駐車場に着いて、車でクールマイヨールのEntrevesという村にあるホテルに向かう。途中で展望台があったので立ち寄ってみると面白い山の観測機があった。観測機と言っても鉄の筒がいくつかあるだけなのだけど、それぞれの筒に山の名前が書いてあって、覗き込むとその山の頂上がわかるという仕組み。素晴らしい。

それぞれの筒に山の名前が書いてあります
上手く撮れなかったけど覗き込むとその山が見れる仕組み。ちなみにこれはモンブラン。

この展望台の前に広がる氷河がすごい迫力でした。

迫りくる氷河

途中寄り道をしまくって、ようやく宿に到着。Booking.comで探したのだけど、直接予約の方が安かったので直接電話して予約。たどたどしいイタリア語でどうにかコミュニケーションをしたので向こうも僕のことを覚えてくれていた。

この宿からSKYWAYまで歩いて行けます

SKYWAYまで歩いて行ける距離というのが決め手。早朝にチェックアウトしても車は昼過ぎまで置いても良いと言ってくれた。宿の大奥様は日本人が珍しいようで色々話しかけてくれた。何を言ってるか半分も理解できなかったけど笑

Entrevesの村。さっき展望台で見た氷河の山が後ろに聳える。
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