1泊でロンバルディア州のヴァル・カモニカへ。この地域には1万年以上前の人間が岩に掘った絵が点在していて世界遺産に指定されています。イタリアで初めての世界遺産なんだそうです。
トリノから車で約3時間で到着。もう昼過ぎだったのでまずは腹ごしらえ。最初に向かった岩絵の場所は住宅街のようなところにあって、レストランも1軒しかなかった。
ここから移動するのも面倒だし、探している間にランチタイムが終わってしまうリスクもあるのでこちらのLa Pieveというレストランで食べることに。
店内に入るとお店の人の知り合いか親戚と思われる5,6人のグループがいるだけでガラガラ。
少しランチには遅い時間だけど、世界遺産の脇にあるレストランの土曜のランチでこれは大丈夫だろうか・・・。
若干の不安を感じながらもロンバルディアの伝統料理だというCasoncelliという詰め物パスタを頼んだ。奥さんはチンギアーレのタリアテッレ。
そして・・そのお味は・・・どちらも激うま。
期待がやや低かったというのもあるかもしれないけど、こんなに寂れた感じの住宅街で、どこにでもあるような食堂の雰囲気でこのクオリティか・・イタリアの食文化の奥深いことよ・・・。
さて想定外の美味しいランチを堪能していよいよ古代の岩絵見学。
まずはParco Archeologico Nazionale dei Massi di Cemmoへ。事前にネットでこの地域の公園の入場券を買っておいたのだけど、ここはチケットチェック無し。
大きな岩がゴロゴロしていてそこに昔の人が掘った岩絵がたくさんありました。
思ったよりはっきり残ってるな。可愛いデザイン。シンプルだけどセンスがある表現だなあ。それにしてもこんなに雨風にさらされる状態で置いておいて良いのだろうか?ユネスコは文句言わないのかな?
ここの公園はこの大きな岩がゴロッと3つくらいあるだけなのですぐに終了。このペースならヴァル・カモニカ一帯に広がる岩絵公園を全部回れそうだな。・・・などと今後の動きを考えてたのだけど、全然甘かった。ここだけがやけに小さいだけで、次に訪れたParco Archeologico Comunale di Seradina-Bedolinaは山まるごと公園という感じでかなり広かった。
さすがにここは入り口でチケットチェックがあった。といっても受信したメールチケットをぱっと見せるだけ。小雨が降ってるせいか他の観光客も全然いないし、商売っ気も全くなく世界遺産指定のメリットを全く活かしていない気がする。まあ僕はそういうところのほうが好きだけど。
入り口を入るとたくさんある見学ルートに沿って岩絵がゴロゴロ出てきます。
何が描いてるかよくわからない岩も多いけど、はっきり残ってる絵はどれも可愛い。古代の絵が自然と調和している感じも好き。繰り返すけど人も少なくガラガラなのも良い(2時間くらい滞在して10人も会わなかった)
ヴァル・カモニカ全体を見渡せる場所に当時の集落の地図を描いたと思われる岩絵があります。外からやってきた人に誰の家がどこにあるか知らせたんですかね?
雨がしとしと降って静かで周りに誰もいない中、神秘的な古代の絵を見ているとタイムスリップしたような感覚になります。
ちなみに雨は超鬱陶しい。
天気予報を見ていたのでカッパを持ってきたからまだ良かったけど、カッパがなかったら今日は見学を諦めてたと思う。
想像以上にたくさんの岩絵があるので、徐々に飽きてきた笑
僕が誘ったのに僕の方が先に飽きて、うちの奥さんは懸命に岩絵を探します。岩によっては絵が小さかったり薄かったりして見つけるのが大変なんだけど、奥さんはこういうのを見つけるのが上手。
結局この公園には2時間以上いて次の公園に行くには時間が足りなそうなので、街中にある岩絵ミュージアム(Museo Nazionale della Preistoria della Valle Camonica)へ向かう。
さっきの公園では貴重な岩絵が雨ざらしになっていたのが若干心配だったけど、超貴重な岩絵はここで展示されてるみたい。
きっちり保管されているせいか絵の輪郭が雨ざらしになっている岩絵よりもしっかり残ってる気がする。
とはいえやはり博物館に移動された岩絵はどこか寂しい。動物園の檻の中の動物みたい。ゾウやキリンがいるべき場所はアフリカのサバンナであるように、この岩絵も本当は山の中にあるのが本来の姿なんだと思う・・・。でも保管もすべきだろうし、ジレンマですね。
2階はこの地域の出土品(矢じりとか)の展示。ここの館長がいらっしゃって少し案内してくれた。この地域で一番大きく見応えのある公園も教えてくれたので明日の朝はそこに行くことにする。
博物館見学を終えて今日の宿のB&Bへ向かう。
車で向かってる途中に宿から電話があった。
「いつ来るんですか?18時を過ぎたら出かけてしまうんですけど」
「大丈夫です。もうすぐ近くなのであと1分で着きます」
というやりとりをして実際1分以内に宿に到着。敷地の門が開いていたので呼び鈴は鳴らさず建物の玄関へ。
つい今しがた電話をしたので、宿の人がすぐに出てきてくれるのだろうと思ったけど誰もいない。
ハロー、誰かいますかー?
ちょっと待っていたら先ほどの電話の相手だったと思われる女将さんがやってきてむすっとした顔で
「呼び鈴を鳴らしなさい」
と怒られた。
「門が開いてたので・・・すみません・・」
感じの悪い第一印象。チェックインの手続きの段階になると満面の笑みで対応してくれたけど、最初のやりとりが忘れられず笑顔すら逆に怖い。
宿そのものは綺麗で良かった。アグリツーリズモを謳っていて、ロバ、馬、鶏がいるのも楽しい。でも女将さんはチェックインの時に動物や見晴らしの良い庭の説明は一切してくれなかった。
チェックイン後にロバを離れたところから見ていたら、ご主人と思われる人が遠くから声をかけてきた。また何か怒られるのか?と思いきや、柵の施錠を外してもっと近くによって見て良いよとのこと。
ご主人は優しい人のようだ。
ちょっと宿でゆっくりしてから女将さんのこの辺のおすすめレストランを尋ねたら「近い方と遠い方どっちが良いか?」と聞かれた。
いや・・・そんな選択肢ある?判断要素がそれしかないならそりゃあ近い方ですよ。その聞き方で「遠い方がいいです!」って答える人いる?
近くはカジュアルだけど、遠いほうはファンシーとか他の要素を組み合わせてくれたらまだ選びようがあるけど。
思うに女将さんは見知らぬ人とのコミュニケーションが好きではなく、B&Bを運営するのは反対だったんじゃないかなと思う。旦那さんのアイデアあるいは経済的な理由で渋々対応してるんじゃないかな・・・。必死にプロとして対応しようとしている努力は見えるのだけど、人と話すのが嫌いという本性を隠しきれてない笑
もちろんレストランは近い方を聞いてそっちに行った。
そのレストランは店員の対応は良い店だったけど、信じられないくらいに全てがしょっぱくてとても美味しいとは言えなかった。ランチはあれほど感動したのに、ディナーは「まあ田舎だから仕方ないか」となった。本当にここがおすすめなのか・・・・
ということで宿もレストランもいまいちだったので名前は書きません。
2日目に続く。
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