とある記念日である今日のディナーに選んだのはLAVAZZAが運営するレストランCONDIVIDERE。
トリノで一番の高級レストランといえば老舗のDel Cambioが有名だけども最近はこちらのCONDIVIDEREを一番に挙げる人が多い。当社の社長とかウチの大家さんとか(いずれもトリノっ子)。
随分前に予約を取ってずっと楽しみにしてきました。ちゃんと小綺麗な格好もしたのでタクシーで向かう。普通のイタリア人なら車で行くのだろうけど、僕はお酒が弱いのでタクシーで。
ちなみにトラムで行く選択肢もあるけど、このレストランの周りはあまり治安がいいとも言えないし、トラムじゃテンションも上がらないのでタクシーで!
店内はいわゆる伝統的な高級レストランの雰囲気ではなく極めてモダン。しかもおそらく日本の居酒屋にインスパイアされてると思う。
それでも店員さんと周りのお客さんの上品な雰囲気でただものではないお店だというのはひしひしと伝わってきます。
ここのメニューは95ユーロ、110ユーロ、130ユーロの3つのコースメニューの中から選びます。高くなればなるほどメニュー数が増える。滅多に来れるところではないのでできるだけ色々食べたいけど、130ユーロのGRAN FESTIVALは14品もある。
ちなみに二人とも同じコースを注文しなければなりません。CONDIVIDEREとはイタリア語で共有という意味なので、同じ料理を頼むことによって、その美味しい料理を大切な人と共有するっていう意味があるんじゃないかと思います。
・・果たして食べ切れるだろうか?そこが心配。でも店員さんに相談してみたところ一品一品はとても量が少ないので大丈夫だと。もし途中で無理そうなら途中でコースを変えても良いとのことなのでGRAN FESTIVALにしました!
GRAN FESTIVALの内訳
Oliva sferica “El Bulli”
Prosciutto di tonno e caviale
Wafer, foie gras e nocciole
Katsu Sando piemontese
Vol au vent e tartufo
Biscotto “Viva Messico”
Zuppetta di mais piccante con frutta e verdura
Anguilla in saor di grue di cacao
Carciofo e prigord
Animella e vaniglia verde
Agnolotti, consommè di cipolle e burro all’astice
Gnocchi di pasta matta, fave, panna e prosciutto
Sottospalla di manzo, bernese al metodo classico e cardonecello in escabeche
FESTIVAL DI DESSERT
ワインはペアリングというやつで、ソムリエになんとなくの方向性だけ伝えて選んでもらいます。はい。値段とか全くわかりません。怖いですねー笑
まずはCASA ZUFFADAというところのスパークリングワインでスタートしてからMunjebelというシチリアの赤ワインに。そして前菜の料理がずらずらっと出てきました。確かに一品一品の量は多くない。
語彙力がなくて本当に申し訳ないけど、どれもこれも涙が出るほど美味しい。量が少ないのもあってじっくり味わうことができる。そして味に飽きる前に食べ終わる。
終盤に差し掛かり次のワイン。バローロが出てきました!ベタではあるけど僕のような素人にとってはこういう特別感のあるディナーではバローロもちょっと飲みたいところだったので嬉しい。
バローロの後にソムリエさんがボトルを布で隠して、肉にはいつもこれをペアリングしていると言ってお勧めしてくれた。
何のお酒だか当ててみてと。・・・ごめんなさい。どこか知ってる味だけど分からないというとボトルを見せてくれました。
何と正解は日本酒。え・・でもこれ日本酒?ちょっと茶色がかってるしかなり甘い。日本人なのに日本酒を当てられなくて悔しいというのもあるけどなんかちょっと変わり種のお酒だなあと思って帰って調べてみたら室町時代のお酒を再現したもので確かにちょっと変わっているお酒のようです。
バローロと日本酒を堪能しつついよいよ牛肉。実に少量だけどとてつもなく美味い!
いやー実に美味しかった。一品一品の量は多くないのでしっかり楽しめました。
最後はデザート。とここでなんと席を移ります。デザートはデザートルームで食べるのだそうです。
本来のデザートセットの前に、今日の記念日のためにお願いしておいたケーキが登場!メッセージも添えてくれてとても素敵!もちろん写真も撮ったけど、プライベートなメッセージもがっつり入っているので写真は割愛で。
そしてコースに含まれるデザート。
良いレストランではプレドルチェ、本番ドルチェ、ポストドルチェ(そういう言い方はしないと思うけど)と3段階に分けてドルチェがでてくることがあるのだけど、ここはドバっと一気にたくさんドルチェが出てくるスタイル。
全部美味しくいただきました。
するとお隣ではシェフがやってきて目の前でジェラートを作ってる。おー、面白い演出だなーって見惚れてたら、カメリエーレが「あなたも食べたいですか?」と聞いてくれた。
そりゃあ食べてみたいけど、あれだけのドルチェセットにケーキも追加したし食べられないよなあ・・・と悩んでいたら「では一つだけ作って二人で分けてはいかがですか?」と提案してくれた。
ありがとう!いただきます。程なくしてドルチェ担当がやってきて目の前でストラッチャテッラ(カリカリチョコが入ったジェラート)を作ってくれた。窒素を混ぜながらガッと冷やしてあっという間に牛乳がジェラートになるとても面白い演出でした。
全てコースが終了。当然締めにはLAVAZZAのスペシャリティのエスプレッソ。
ということで最高のディナーでした。こりゃあトリノで一番のレストランだ!
美味しい食事を共有するという経験をする場所であるというこのレストランのコンセプトはまさにその通りでした!
ちなみに今日のこの日の予約をしたかったので、3ヶ月くらい前にレストランにメールで問い合わせてみたところ、毎月1日10時(月によってタイミングは変わります)に翌月分の予約をウェブサイトで受け付けるから2月1日10時にアクセスしてみてくださいとの返事。
金土日の分は予約開始日にあっという間に埋まってしまうと聞いていたので、もしかしたら厳しいかなと覚悟しつつ、会社の同僚アルベルトに相談したところイタリア式のアプローチをしてくれました。
イタリア式というのは罪にならない範囲での嘘を交えて常に訴える作戦です。曰く、近いうちに日本に帰らなければならず、この記念日をどうしてもここで迎えたいのですが・・・という趣旨のメールを打ってくれたのです。
しばらく返信が無かったので諦めていたら、予約受付開始日の数日前に電話がかかってきて「そんな事情があるなら是非当店にいらしてください!」と予約を入れてくれたのです!
ということでお会計する時も「もう日本に帰ってしまうんですよね・・・」と寂しい顔をされたのですが「まあそんなにすぐってわけじゃないのですけど」と濁しました。まあ確かに1年後はトリノにいない可能性は十分あるので嘘とも言い切れないわけだし。
ちなみに後ほど判明したのだけど、ジェラートを作ってくれた様子をビデオに撮ったのでアルベルトに見せたら、なんとそのドルチェ担当の人はアルベルトの知人でした(ルカというそうです)。昔一緒のバレーボールチームだったとか。世間は狭いなあ。
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