ウィントフックの街中でFillemonに拾ってもらって午後のサン族訪問ツアーに出発です。
午後はFillemonの部下のトーマスが連れて行ってくれるということで、Fillemonは途中下車。
サン族というのはいわゆるブッシュマンのことです。ブッシュマンという呼び方は蔑称であるとする考え方もあり、コイサンマンの方が良いとか(ブッシュマンは敬意を込めた呼び方であるという説もある。)。ちなみにトーマスはサンピープルと呼んでました。

空港近くのNaankuseロッジのアクティビティとしてサン族の暮らしを見ることができるそうで、まずはNaankuseロッジへ向かいます。街から40分くらいかかるらしく15時に現地についていないといけないらしい。ちょっと急がないと。
途中から未舗装の道になって車がガタガタ揺れる。

荒野をゆく

遠くに山々が見える。
「ナミビアの風景はどう?日本と違う?」
と聞いてきた。全然違うね。ここでは山が茶色いけど、日本は木が生えてるから山は緑なんだよ。
「えー、緑。そりゃあ全然違うね。」
木が生い茂った山が珍しいとは思わなかった。トーマスは口数は少ないけど実直な感じの好青年だ。
15時ちょっと過ぎにロッジに到着。どうにか間に合ったらしい。ロッジからガイドのような男性がやってきた。
「待ってたよー。じゃあ早速行こう」
ここからロッジの車で5分くらいのところにサン族がいるらしい。トーマスはロッジで待っていてくれるとのこと。
すぐに到着。茂みを少し歩くと小さな集落が見えた。

木陰で団欒

おおーブッシュマンだー。長老みたいな方とご挨拶。続いてその奥様とご挨拶。おじいさんや若いお兄さん、子供もいる。大家族一世帯という感じ。
みんな小さくて痩せている。一番背が高い男性でも160cmくらいかな。
みなさんここに住んでいるわけではなく、ロッジがナミビアの北東部に住む部族と契約していて、1家族がこのロッジに半年単位で移住して観光客の相手をするんだって。
普段は普通の家に住んでいて、観光客が来る時だけ北東部の実際の住まいを模したここに移動してきて伝統的な暮らしを紹介するらしい。
ガイドの男性が通訳してくれます。ガイドは出身が北東部でサン族の言葉もわかるのだとか。ガイドと英語で話していると、お父さんが頷いている。あれ?英語わかるんですか?このお父さんと甥っ子のお兄さん(20歳くらいの若者)は学校で勉強したから英語が話せるのだそうです。

真ん中の女の子の髪型超かわいい

そっかー。学校行く人もいるんだ。しかもそれで話せるようになるんだな。サン族の言葉と英語は全然違うのに。
サン族の言葉は今まで聞いた言語の中で一番個性的です。クリックというそうですが、コッ、カッって感じで喉の奥を鳴らすような発音をします。
異文化ったらない。
一通り挨拶が終わって他の人にも挨拶をして回った。
子供はみんな人懐っこい。すごく良い笑顔。親からしつけられているのか、みんな手を差し出して握手を求めてくる。

握手しましょう
良い笑顔!

お隣のお家は大人の女性がいました。寝っ転がってビーズのアクセサリーを作ってる。
顔になにやら白いものを塗っているのでなんなのか聞いてみると、日焼け止めだとのこと。アフリカの先住民族でも日焼けを気にするんだ・・。
しかも塗り方が超雑・・・。

日焼け止めの塗り方が雑すぎやしませんか?

一通りみなさんと挨拶が終わると、この辺を案内してくれるというので男性陣と一緒に散歩することになりました。

草木の効用を教えてくれます

この木の葉を煎じて飲むと風邪に効くとか。病院に行くこともあるけどこういう自然の薬草で治すことも多いんだって。寿命はだいたい80歳くらいだと思うとのこと。まあ統計はあまりないのかもしれない。ちなみに右側の男性は70歳で、英語は話せないので、左側の若者が訳してくれます。

荒野を散策

しかし・・当然のように柵なんてないけど動物が来たりしないんだろうか・・・と聞いてみると
「いっぱいいるよ。ほらあっち」
と遠くを指差すお兄さん。どこ・・・?
あ・・あれか。かなり遠くにシマウマっぽい動物が見えました。よく見つけられるな。

オリックス発見!(遠い)

地平線の木を指してあそこに動物がいたら見える?と聞くと見えるという。
動物が向いている方向もわかるそうだ。小さな弓矢を持っていて、これより本格的な矢であれば数百m先の動物も仕留められるとのこと。
ただし風下に立つ必要があるらしい。こちらの匂いが動物に伝わるとダメみたい。確かにかなり遠くにいるのにオリックスもシマウマも警戒心が強い。
サン族はここでは狩りはしないけど、地元では狩りをする。でも獲れる数が決まっていて、捕獲したら国に届け出なきゃいけないらしい。

奥さんが遠くにキリンを発見した。僕はよくわからなかった。わずか数十分で奥さんはサン族の視力を手に入れたんだろうか(笑)

散歩をしながら藁のような植物をちょっとずつ集める。じゃあそろそろ始めますかという感じで火起こしイベントが始まった。これはケニアのマサイ族の村でも見たイベントだ。

火起こし準備中
火がつきました

穴の空いた板に藁を少量置いて、両手で木の棒を押し付けて回す。
手際よく火がついた。・・当然次は僕の番。
言われた通りに必死に棒を回すんだけど火は一向につかない。

僕も挑戦

結局大半を手伝ってもらって無事火がつきました。これでイベントは終わり。
ガイドが待ってるところに戻る。
「ずいぶん長い間散歩してたねー。楽しかった?」
ハイ!実に楽しかったっす。

最後にサン族のお父さんに安全で食べ物にも困らないここでの暮らしと地元の暮らしはどっちが良いかと聞いてみた。
故郷の方が不便だけど圧倒的に故郷の暮らしが良いって。早く故郷に帰りたいそうだ。そっかー。便利だから幸せってわけじゃないんだな。
いやー貴重な体験でした。本当のサン族の村ではないけどいろいろ聞けて楽しかった!

ロッジに戻るとトーマスが待っていてくれました(当たり前だけど)。だんだん暗くなってきた。さあウィントフックに戻りましょう。

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