ポーランド戦翌日。僕らのロシアワールドカップ観戦旅行で観戦する試合は昨日のポーランド戦が最後の試合。今日少しヴォルゴグラードを観光して、明日はモスクワから日本へ戻ります。
まだ昨日の物議を醸す試合運びに対するモヤモヤが残っているけど、まあグループリーグ突破という目標は達成したので満足しなきゃいけないでしょう。これでもし日本の敗退が決まっていたら今日は沈んだ気分で観光しなきゃいけなかっただろうから。

遅めに目覚めて朝食を食べて、チェックアウト。荷物を預けて観光へ出発です。失礼ながらヴォルゴグラードはあまり見所がない。一番の見所であるママエフの丘は昨日行ったので、今日はスターリングラード攻防戦パノラマ博物館へ行きます。

最寄駅からトラムに乗車。トラムは街の中心地では地下を通ってます。乗車して係りのおばちゃんに乗車賃を支払う。今日は試合日じゃないのでトラムも有料です。一人25ルーブル(約45円)と安めの値段設定。ロシアの地方都市は物価が安いです。

トラムの中で乗車賃を払います

博物館の最寄駅でトラムを降りて地上に出ると大きなレーニン像がお出迎えしてくれます。エカテリンブルクにも大きな像があったな。土台も大きいので顔はよく見えない。

どこの街にも大きなレーニン像

レーニン像の裏手に回り込んで集合住宅を抜けると博物館がありました。周りに移動式の機関銃がずらっと並んでいていかにも戦争博物館の雰囲気がプンプン漂っています。

兵器がズラリ

では、いよいよ博物館に入ろう・・・と思ったが入り口が見つからない。小さな扉があるけど完全に閉まってる。まさかの休館日だろうか。試合日の翌日なんてどう考えても掻き入れどきだけど、臨時的な儲けよりも規則通りに物事を遂行することに重きをおきそうなイメージがあるので、今日休んでしまう可能性は十分ある。

うーん、まあ仕方ないか。博物館の代わりにヴォルゴ川でも見て戻るかと思い階段を降りていくと・・入り口がありました。
観光客もたくさんいて賑わってる。あー良かった。

入り口はヴォルゴ川に面してました

入場チケットを買って入り口に行くともぎりの女性が日本語で話しかけてきた。日本戦の翌日だから日本語を話せる人を配置したんですね。さっきまでワールドカップだろうがなんだろうが休む時は休むお国柄かもしれないと疑ってしまっていたけど、しっかり歓迎してくれてます。
「館内で写真を撮るのはできません。(おそらく別料金が必要ということ)」
なるほど。そうですか。良いです。写真撮りませんので。

順路は1階からスタート。当時の兵士の装備だとか勲章とか写真が飾られていてかなり見応えがあります。
ただやはり展示しているものが「戦争」なのであまり良い気持ちではない。戦争に負けた日本だと広島や長崎の原爆記念館に行くと、つくづく
「決して戦争を起こしてはいけない」
と思い知らさせるんだけど、ロシアの場合は戦争に勝っちゃってるからどうにも戦果を讃える雰囲気になってやしまいか。

それにしても、ナチスドイツってこんなところまで進出していたんですね。ここはチェコスロバキアとウクライナの先なのに。

ヒトラーを茶化した面白い風刺画があったので、ダメ元で係員のおばちゃんに写真を撮っていいかと聞いてみると、なんとOK。入り口で受けた注意は何だったんだろう。

ヒトラーを茶化した風刺画

他にもヤルタ会談の像とか日本の吉田茂から送られたと思われる「平和」と刻まれた鐘とか分かりやすい展示のところで写真を聞いてみるとことごとくOKでした。

ヤルタ会談
吉田茂首相より

なかなかに濃厚な1階展示を経て階段を上がってメイン展示のパノラマへ。

360度ジオラマが展開されています。さっき外で見た建物(旧製粉工場)も描かれていて、まさにここで激戦が繰り広げられたんだなあという実感がこみ上げてきます。爆撃でボロボロになった建物を残すのは広島の原爆ドームと同じで、やはり戦争に勝ったロシアも「戦争は起こしてはならない」というメッセージを伝えたいんだなって思いました。

ドイツとの戦いのジオラマ

モスクワで話したお兄さんに、ヴォルゴグラードに行ったらこの博物館に行くべしと言われてたけど、確かに来て良かった。戦争に勝った側ですら戦争はもううんざりなんですよね・・。

博物館を出てまたトラムで中心地に戻ります。

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