メア・シェアリームからホスピスに戻って屋上でちょっと一息ついてから、また観光へ。
昨日のウォーキングツアーでさらっとしか回らなかったヴィア・ドロローサを最初から最後まで回ることにしました。
ホスピスを出るとすぐに第3留があるんだけど、ステパノ門の方へ歩いて第1留から歩いてみることにしました。
ステパノ門から旧市街に入ってすぐのところに、ヴィア・ドロローサのモニュメントがあります。ところが、第1留がなかなか見つからない。第2留は人がたくさん出入りしていてすぐ分かったんだけど・・・。
第2留の近くに立っていたガイドらしきおっちゃんに聞いてみたところ、
「ガイド料100NISで全ステーションを案内してやる」
と言われました。
いやガイドは昨日してもらったし、しかもどうせよく理解できないだろうから、ガイドはいらないっていうと
「じゃあ自分で探せ」
と冷たくあしらわれました。
ケチだなあ。別に場所くらい教えてくれても良いじゃないか・・・。
仕方ないから第2留から出てきた観光客に聞いてみると、
「えーとたしかあの辺なんだけど、あそこの土産屋のおっちゃんが教えてくれるよ」
とのこと。
うーん。なんでそんなにややこしいんだろ。
とりあえず教えてもらった通り土産物屋のおっちゃんに聞いてみると、
入口を教えてくれて、勝手に入って良いよとのこと。
このお土産物屋の主人が管理人なの?
よく分からないけど、許可をもらったので第1留に入りました。
第1留は、イエスが死刑判決を受けた場所だそうです。今は小学校になってます。
続いて第1留のほぼ向かいにある第2留へ。ここでイエスは茨の冠をかぶせられました。
第2留には教会が立っていて、天井には茨の冠が描かれます。旅行直前に映画パッションを観たので結構イメージしやすい。第2留から第3留に行く間にエッケホモ・アーチがあります。エッケ・ホモとはラテン語で「この人を見よ」という意味です。本当はイエスが無罪だと知っていたローマ帝国のピラト総督が、なんとかイエスの死刑を回避しようとして群衆の前にイエスを引き出した時の言葉だそうです。
このあたりでピラトがイエスを群衆の前に連れ出したとされています。
つまり結構重要な場所なんだけど何故かヴィア・ドロローサのステーションにはなってません。
ちなみに、映画パッションでは「エッチェ・ホモ!」って言っているように聞こえました。
エッケホモ・アーチを過ぎるとオーストリアン・ホスピスの前に第3留と第4留があります。
第3留で、イエスは最初につまづいたということになっています。第4留では聖母マリアが十字架を背負ったイエスを見かけたそうです。ここで十字架をみんなで担いで歩いている一行に会いました。こういう団体をしょっちゅう見かけます。
続いて第5留。ここからはウォーキング・ツアーでも回ったステーションです。でもまあ最初から最後まで通しで行くことに意味があるので続けてあるきます。第5留は十字架を背負えなくなったイエスに代わってシモンという人が代わりに十字架を背負った場所です。自主的に背負ったのか無理矢理背負わされたのか・・。
第5留の壁に、観光客が手をあてていく部分があります。ガイドブックにも載ってないけど、どうやらここにイエスが手をついたという感じの壁らしい。
・・・でも当時の道ってもっと下だったんじゃないのかな??ま、まあいいか。ということで僕らも一応手をあてておきました。
ここから道はお土産物屋が立ち並ぶ緩やかな上り道になっていきます。
第6留はベロニカがイエスの顔をハンカチで拭ったとされる場所です。でもってそのハンカチにイエスの顔が浮かび上がったとか!そのハンカチは今、バチカンに保管されているらしいです。いやー是非見てみたいですね。
道をさらに進んで突き当たりが第7留です。当時はここが街のはじっこだったらしいです。ここから街の外に出る時にイエスはもう一度転びました。
次の第8留は現在のエルサレムの道だとちょっと脇道にそれる場所に位置してます。第8留はイエスがエルサレムの娘達を「私のために泣くな。自分と自分の子供のために泣け」と慰めた場所だそうです。
第8留の向かいには土産物屋があって、ご主人が執拗に営業をかけてきます。少し覗いてみるとヴィア・ドロローサの日本語パンフがあったので購入。それ以外にも色々売りつけようとしてきたけど全部断ると、ご主人はめちゃめちゃ機嫌を悪くしました。とても神聖な場所にあるのに凄い商魂だ・・・。隣人を愛せとかそいういう発想は皆無でしょう。とにかく金。
気を取り直して第9留。コプト教会の入口です。ここでイエスは三たび倒れます。昨日はここから聖墳墓教会に入れたんだけど、どうも入口が閉まっているようです。もう日が暮れたからかな?
来た道を引き返して、回り道をして聖墳墓教会に向かおうとする途中で昨日立寄った土産物屋を発見。ガイドが案内してくれて激安でお土産を買えたお店。ちょっと安心して絵はがきを物色していると、岩のドームの内部の絵はがきを発見。値段をご主人に聞くと、袋に包み始めました。
「いやいやまだ買うと決めてない。値段を聞いてるんだけど」
「30(約750円)だ」
めちゃくちゃ高い。昨日のホーリーパッケージが10NISだったのはやっぱりガイドがいたから妥当な値段で買えたんだなあ。日本人だけで行くとこの有様。昨日と同じ人なのに、態度や表情が全く別人。
「じゃあいらない」
「いくらが良いんだ」
「いやもういい。いらない」
「俺はお前にいくらがいいのか聞いてるんだ!」
何故か恫喝されました。ホントにけっこう怖い。地元の不良にからまれてる感じ。
無理矢理袋にいれた絵はがきを手渡されました。あわわ・・僕は今、カツアゲされてるのか?
「いらないよ」
「10でいいからよこせ。早くしろ」
まだ高いけどバンクシー絵はがきも10NISだったし、もう10NIS(約240円)ならいいか・・・。
なんとも気分の悪い買い物をしてしまいました。
出だしのガイドといい、さっきの土産物屋の主人といい、この不良店主といい・・・。
エルサレム旧市街はみんなとにかく金。人情とかまったくありません。こんだけ気分の悪い観光地もなかなか珍しいと思います。
再び気を取り直して聖墳墓教会へ。
昨日のウォーキングツアーでは、ガイドが「重要なポイントなのに団体客はみんな素通りしてしまうのよ」と解説しつつも、不思議なことにそのガイドも素通りした第10留も階段を登りました。
一応この登っているのはゴルゴタの丘の一部のようです。
ここでイエスは服を脱がされたそうです。階段を登ったところには祭壇がありますが、中には入れませんでした。第10留を見届けてから教会の中に入ります。教会の中に入ってすぐ右脇の階段を登ります。ゴルゴタの丘です。階段を登ると第11留から第13留があります。
十字架に釘付けにされ、磔にされ、亡くなったイエスの亡骸を聖母マリアが引き取った場所です。
昨日は磔刑の十字架が立てられた穴を触りましたが、今日はお祈りが行われていたので近くまでは行けませんでした。
ゴルゴタの丘から下りたところに最後の第14留があります。イエスのお墓です。お墓といってもイエスは復活したので、復活するまで埋葬されていた場所ということかな。
お墓には長蛇の列が出来ていますが、かなり回転が速いので10分くらいで中に入れました。神父が管理していて4,5人単位で狭い中に入って、中にいられる時間は10秒程度。パシャっと写真を1枚撮って周りを見渡したら終了です。こりゃあ回転早いわけだ。まああんまり長居するつもりもなかったから良いけど。
教会の入り口には息を引き取ったイエスが横たわったとされる大理石があります。ここも重要なポイントだと思いますが、エッケホモ・アーチと同様にここもヴィア・ドロローサのステーションにはなっていないようです。
以上でヴィア・ドロローサ巡り終了。神聖な観光のはずなのに、エルサレムの守銭奴達のせいでなーんか気分が悪い観光だったなあ。
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