今日は朝から雨だった。ローマの気温は東京とほぼ同じなんだけど、僕達が滞在した一週間に限って言えばローマのほうが体感的に5-6度東京よりも暖かかった。とはいえ、雨はつらい。なぜなら今日はヴァチカン美術館の日。
美術館だから雨なんか関係ないジャンと思うなかれ。この美術館はすんなり中に入れてもらえないんです。ながーい行列に並ばないといけないんです。雨が降ってるとガイドブック読みながら待つなんてこともできないのよね・・・。
僕らは何しろヴァチカン美術館の前のホテルに泊まっているので、この行列が朝の何時頃から出来るのか昨日チェックしたところ、7時30分には既に30人くらい並んでた。8時頃には100人くらい並んでいたので、7時30分からのホテルの朝食を急いで食べて8時前に並ぶことにした。それでも8時45分が開館なので45分は並ぶんだけど、まだ甘かった。
明日が元日で美術館がお休みのせいか、昨日よりも遥かに列が長い。入り口からおよそ200メートルくらい並んでる。しかも僕らが並び始めてわずか10分で、それはさらに300メートルくらい延びて、リソルジメント広場に達しました。もし僕らが並ぼうとした時に列の最後尾がここだったら、入館をあきらめてたかも。
開館してからは思ったよりスムーズに列が掃けて、9時30分に無事入館!コロッセオでもそうだったけど、ここも厳重なセキュリティチェックあり。イタリア入国審査の100倍の厳しさだな。入場するだけで2時間近くかかったわけだけど、ヴァチカン美術館はもちろんここからが本番。
一言で美術館って言うけど、この中にいくつもの美術館やら絵画館やらが入っていて、くまなく見て歩くと総距離は7kmにもおよび、全部見るのに1週間はかかると言われているメガ美術館なのよ。僕らのような美術のトーシロがさらっと重要ポイントだけ駆け足で見て回っても2時間弱かかるらしい。
さすがに1週間はかけられないけど、まあ、「せっかくだから」そこそこしっかり見ましょうよってことで、三人とも日本語音声ガイドを借りて(6ユーロ)いざ出発。
昨日一夜漬けで勉強したラオコーンやラファエロのフレスコ画に感動したんだけども、一番すごいのはやっぱりなんと言ってもシスティナ礼拝堂だな。ここだけはどういうわけか撮影禁止。こっそり撮ってる人もいたけど、何っていったってカトリック総本山の礼拝堂ですからね。バチが当たっちゃいけないから言い付けを守りましたよ、僕は(小心)。
システィナと言えばミケランジェロの最後の審判と天井画が有名だけど、僕は天井画に釘付けになった。見事なまでの立体感と迫力。でっかい人間が天井に座っているように見えて一瞬色が付いてる彫刻かと間違えるくらいだ。
予備知識なんて全然必要無い。ただただ圧倒された。
その後は館内のレストランで昼食。巨大美術館だけにレストランもカフェ、ピッツエリア、バイキングレストランの3つもあった。これがまた美味しいのよ。美術館のレストランまでこんなに美味しいなんて日本の美術館じゃ考えられないね。
まあ日本の美術館でご飯食べたこと無いですけど(すんません)。食後に絵画館に行ったけど、システィナ礼拝堂の後じゃ、ダヴィンチもカラヴァッジョもオマケに思えた。贅沢な話ですね。
でも音声ガイド聞いていても
「この絵はあまりにクオリティが低いため失敗作と思われます」
とか、
「ダイナミックさが足りないので弟子の作品でしょう」
なんて解説が多かったので、駄作が多いのも確かだと思われます。 ということで思いのほかたっぷりヴァチカン美術館を堪能して、美術家を出たのが14時30分。実に5時間もの間ゲージュツを爆発させました。
さすがに3人とも疲れたのでホテルでちょっと休憩した後はサンピエトロ寺院へ。
なにやら行列が出来ているので、また並ぶのかとうんざりしたけど、これはどうやら明日のミサ?のチケットをもらう人の列みたい。さすがにそんなところは敬虔なクリスチャンが行くべきだと思うので、その列には加わらなかった。寺院も残念ながら明日の準備のために今日はお休み。明日の午後からは普通に参拝できるとのことなので、目的地を変更してサンタンジェロ城へ。
この城は僕らの勉強不足もあって背景が全く分からず、城内にもいろいろ説明があったんだけど、理解しきれずに堪能したとは言い難かったけど、とにかく屋上からの景色が気持ち良い。その後もナヴォーナ広場のベルニーニ、サンタゴスティーノ教会(カラヴァッジョはミラノの貸し出しの為レプリカ)、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会(カラヴァッジョ3部作)をはしご。
芸術酔いで千鳥足になりながら、晩御飯を食べにレストランへ向ったんだけど、その途中の横断歩道でなんとおじいちゃんが車にはねられた!!ローマに来てからずっと、ずいぶん車の運転が乱暴だけど、そこはみんな要領良く事故にならないようにしてるんだろうなあって思ってたのに、やっぱり事故多いんだな。
日本で30年暮らしていても目の前で事故を目撃したことなんてなかったけど、ローマは3日で目撃だもんね。でも幸いおじいちゃんは、意識はちゃんとしてたしたいしたことはなさそうだ。おかげで僕らも気が引き締った。信号が青でも油断しちゃいけないのだ!
2005年最後の晩御飯はサンタンジェロ城裏のCESAREというレストラン。到着が19時前だったのでまだオープンしてなかったんだけど、融通をきかせて席に通してくれた。今晩のオーダーはアーティチョークのサラダ、ボンゴレビアンコスパゲッティ、ラビオリ、魚介のリゾット、Etti di FiorentinaというTボーンステーキなど。どれもこれもおいしかったけど、一番美味しかったのはTボーンステーキだった。でもこれってローマの料理じゃなくてトスカーナ料理だよなあ。
夕食後は大晦日の年越しイベントの為に一度ホテルに帰って仮眠。年越しイベントは町中の広場でどんちゃん騒ぎをするらしいんだけど、僕達は地下鉄に乗って人の流れにまかせてポポロ広場に行きました。
去年の年越しはノルウェーのトロムソだったんだけど、その時も島全体で花火がばんばん上がって盛り上がったので、北欧の小さな町ですらあんなに盛り上がるんだから、ローマはさぞかし・・・なんて思ってたら、花火もシャンパンかけも思ってた程じゃ無かった。雨が降ってたからかな?帰りは相変わらず、徒歩。ローマに来て20キロくらい歩いたか?
今日のイタリア語:Era tutto buonissimo!(とても美味しかったですの意。海外でレストランに入ったら必ず現地の言葉でこれを言うように心がけてます。)
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